オブジェのようなコロナ予防グッズが登場

新型コロナウイルスの影響により、コンビニのレジや飲食店の席の間には飛沫の拡散防止策としてビニールの仕切りやアクリルパネルが設置されるなど、新たな「withコロナ」のスタイルが定着しつつある。

しかし、まだ全ての店やオフィスにこのようなアイテムが導入されているわけではない。対面の場ではマスクをしていても時折不安になってしまうこともあるはず。

そんな時に役に立ちそうなアイテムが、クラウドファンディングサイト「Makuake」に登場し、話題となっている。

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それが、アクリル製の板が扇状に開く、半円型のパーテーション「マイディスタンス」

設置時で高さ47cm幅82cm、重さ880gの「インテリアタイプ」と、高さ40cm幅72cm、重さ700gの「モバイルタイプ」の2種類ある。小型の「モバイルタイプ」はその名の通り、40cm×13cmに折りたたむことができ、専用のバッグに入れて持ち運ぶことができる。

左が円形の台座付きの「インテリアタイプ」、右が持ち運びできる「モバイルタイプ」
左が円形の台座付きの「インテリアタイプ」、右が持ち運びできる「モバイルタイプ」

8月26日にクラウドファンディングが始まるとわずか2日で目標金額の30万円を達成し、9月9日現在、50万円以上を集める人気のプロジェクトとなった「マイディスタンス」。

持ち運びができるパーテーションを探してみると、ブースのように3方を取り囲む形のものは販売されているのを見かけるが、この「マイディスタンス」は新型コロナ対策のアイテムというよりも、オブジェのような見た目で新鮮。

さっそく、このアイテムを開発した経緯について、スタンダード通信社にお話をお聞きした。

「パーテーションの物々しさ」を払拭したい

――「マイディスタンス」開発のきっかけは?

6月以降、リモートワークと並行しながらオフィスワークを再開したのですが、ある日女性社員からこんな相談を受けました。「ランチに誘ってくれるのはうれしいし、お喋りが大好きな上司だけど、飛沫が気になるんです。このご時世だし…」という話を聞いたのがきっかけでした。

昨今、飲食店でもソーシャルディスタンスが徹底され、1席以上空けて案内されるなどの対策がなされていますが、対面するとどうしても飛沫への不安が募るとのこと。

そこで、マスクを外さなければならないシーンでそのような不安を払拭することができればと思い、携帯型の飛沫防護パーテーションの開発に着手しました。
 

――こだわった点はどこ?

携帯性というのが最初のポイントでしたが、一般的なアクリルパーテーションはものものしいし、持ち運びができません。持ち歩くなら、折りたためるのが基本ですから、どういう仕組みにすればいいかを工場の担当者と一緒になって考えました。

また、どうせなら、デザイン的にもきれいなものにしたい、と思いこだわった結果、このカタチに落ち着きました。

「マイディスタンス」が注目したポイントのひとつが、一般的なパーティションの“圧”

今でこそ、アクリル板越しの会話や飲食は日常の光景になりつつあるが、やはり「壁」を感じてしまう…という人もいるだろう。

スタンダード通信社も、そんなパーテーションのあるシーンでは「どうしても会話の気分は落ち込んでしまいます」と語っていて、「どんなシーンでも美観を損なわないデザインにしたい!」という気持ちから、扇型に広がるオブジェのような「マイディスタンス」のデザインを生み出したのだという。

男性のビジネスバッグにぴったりのサイズ

デザインの美しさだけでなく、扇型にすることで持ち運びができる、というのが「マイディスタンス」の大きなポイント。

手軽に組み立てられるパーテーションは多く販売されているが、飛沫対策に十分な高さのパーテーションを持ち運ぶとなるとなかなか骨が折れそう。

「マイディスタンス」はそんな持ち歩きにも便利だが、「モバイルタイプ」でも40cmと、持ち運ぶには少々大きめな印象もある…

折りたたむとこんな形に
折りたたむとこんな形に

――サイズはどのようにして決めたもの?

モバイルタイプの全高は40cmであり、これは多くの男性のビジネスバッグにすっと納められるぎりぎりのサイズなのです。なので、持ち運べるアクリルパーテーションの最大サイズを40cmと決めました。

インテリアタイプは、飲食店やホームパーティなどの飲食シーンで会話を邪魔することなく、飛沫防護できるサイズだと、このくらいかなぁ。ということで侃々諤々の議論の末、落ち着いた高さでした。台座の部分はレギュラーで4cmなのですが、これはお客様の要望により、オプションでもう少し高い台座も用意しようか、と思っています。

――どんなシーンで活用してほしい?

インテリアタイプは、空間デザインにこだわりのある飲食店オーナー様や、飲食店を積極的に利用したいというアクティブ派のエチケットツールとして。

モバイルタイプは、訪問営業などのお客様との打ち合わせを頻繁に行う必要のある営業マン。または、外出先でテレワークをし、不意なミーティングにも対応しなければいけないモバイラーなどにご利用いただきたいと考えています。


――これまでの反響と、今後「使ってみたい!」という人へ…

クラウドファンディングは、個人の方が多いのでどこまで共感がえられるか不安な気持ちもありましたが、2日目で目標を達成したことで、一般の方の関心度の高さも知ることができて満足しています。

コロナが蔓延するこの世の中にあり、経済を止めないためには、マイディスタンスのような製品がこれからもっともっと出てくると思います。私どもも、マイディスタンスをご利用いただいたお客様のご意見を頂戴し、もっともっと利用価値の高い製品に育てていけたら、と思っています。どうぞ、よろしくお願いいたします。


「マイディスタンス」はインテリアタイプ、モバイルタイプともに1点12,000円(税別)。
「Makuake」での先行販売では1点10,650円(税込)からとなっており、プロジェクトは9月26日まで。以降は自社直販サイトとAmazonでの販売を考えており、飲食店や企業への提案も検討中だという。

消毒の徹底やマスクの着用、パーテーション越しの会話など、日常になりつつある予防策も、ふとした時に疲れを感じてしまうことはあるはず。
ウイルスの脅威から身を守りつつ、少しでも気持ちが明るくなるこのようなアイテムを取り入れてみるのもいいかもしれない。
 

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プライムオンライン編集部
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