1月28日の午前9時49分、埼玉県八潮市の県道で突然、直径約5m、深さ約10mにわたり道路が陥没、大型トラックが転落する事故が発生しました。

さらに、翌日午前1時ごろに、複数のクレーン車でトラックの荷台部分を引き上げたところ、新たに周辺の道路が陥没し、半径200mの住民に避難指示が出される事態に発展しています。

なぜ陥没が起きてしまったのか?
地盤システムの専門家は、”道路の下を走る下水管の破損”が原因ではないかと指摘します。

地盤システム研究所 近久博志所長:
今回は、下水管が破裂というか穴があいて、周辺の土を取り込んでしまった。
土砂を下水管の中に取り込んで、空洞ができてしまったということです。トラックが走る直前、アスファルトの、たぶん下に土がなかったという感じですね。
そこへトラックが走ったので振動で、穴があいたようなイメージを持っています。

埼玉県では、下水があふれ出すおそれがあることから、八潮市を含む12の市と町に洗濯や風呂の使用を控えるよう呼びかけており、約120万人に影響が出ているということです。
また、今回の崩落の影響で通信ケーブルも損傷し、一部の電話回線などが使用できなくなっています。
救助活動で被害拡大
現在もトラックを運転していた男性の救助活動が行われていますが、二次被害を防ぐために、作業は難航。長期戦の様相を呈しています。

28日の午前11時半頃には、命綱をつけた隊員が穴の中へと入っていきましたが、そのわずか5分後、隊員が担架に乗せられて搬送されていきました。

消防によると、隊員2人が上から落ちてきた土砂に当たり、軽いけがをしたということです。

午後8時半頃には、大型クレーンを使ってトラックを引き上げようとしましたが、突然、何かが切れたような大きな音とともに、クレーンのワイヤーが大きく揺れました。
田中良幸 情報キャスター:
かなり大きな音がしました!ワイヤーの先端が外れたのか切れたのか、周囲に相当大きな音が響きましたね。

その後も懸命の作業が続き、発生から15時間以上が経過した深夜1時ごろ、ようやくトラックの車体が引き上げられました。しかし、次の瞬間…。

田中良幸 情報キャスター:
周りの飲食店の看板が今、地下に沈んでいきました!さらに周囲の電柱なども地面の下に
沈んでいきました!「退避!退避!」という大きな声が周囲に響いています。

現場のすぐそばで、新たな陥没が発生。
また、引き上げられたトラックは破損しており、運転席部分がなくなっていました。

事故当初は、消防からの呼びかけに反応もあったといいますが、現状、運転手の安否はわかっていません。
穴の中には水もたまっており、なくなった運転席部分がどこにあるのかの確認も困難な状況です。

パトリック・ハーラン氏:
毎日、全国民がお世話になっている「道路」ですから、こういうところが突然陥没する、我々一般の人ではなかなか防ぎようがないというか、自分を守ろうとしてもできることはあまりない。
地中がどうなっているのか、マイクロ波などを使って調査はできるそうですが、3年ちょっと前に、この場所は「異常なし」と調査結果が出ていると。
でも、下水管が破損して陥没する事故は今までも何度かあったじゃないですか、3年間だけでこんなに大きな空洞ができると聞くと、我々はやはり怖くなります。
調査の頻度、もしくは精度を上げて、ぜひ再発防止に努めていただきたいなと思いますね。
(「めざまし8」1月29日放送より)