フジテレビ本社で午後4時に始まった“やり直し”会見。
■冒頭で当事者の女性に対し謝罪「十分なケアできなかった」

フジテレビ 嘉納修治会長:社として人権に対する意識の不足から、十分なケアができなかった当事者の女性に対し、心からおわび申しあげたいと思います。皆さま方に、多大なご心配とご迷惑をおかけしたことを、心よりおわび申し上げます。申し訳ございませんでした。
フジテレビの嘉納修治会長は、冒頭で当事者の女性に対し謝罪を述べた。 そして自身と港浩一社長の辞任を発表。

続いて、港社長は…。
フジテレビ 港浩一社長:港です。この度はこのような事態を招いた責任を痛感しており、私も第三者委員会の調査対象となっております。全面的に協力して、真実の解明と再発の防止、企業風土の刷新にむけて、尽力していきたいと考えております。
■『カメラから逃げた』17日の会見は「メディアの信頼性を揺るがした」と港社長

これまでの経緯について、カメラの前で初めて口を開いた。
フジテレビ 港浩一社長:17日の会見について、一部のメディアに限定し、かつテレビカメラを入れない形で行う判断は、テレビ局としての透明性や説明責任を欠くものでした、これまでカメラをむけて疑惑を追及してきた弊社が、『カメラから逃げた』と言われても仕方ないことでした。 メディアの信頼性を揺るがしたことを痛感しております。視聴者、国民の皆さまに多大なご迷惑おかけしました。改めておわびいたします。申し訳ございませんでした。
■女性への対応について「私自身が人権への認識が不足していた」

フジテレビ 港浩一社長:女性から報告を受けた後の対応について、体調の回復とプライバシーの保護を最優先にしてまいりました。当時は、私も本人のために、“情報を絶対に漏洩させてはいけない”という強い思いのもと、限られたメンバーで情報を管理しながら、女性の体調の復帰を待っていました。 しかしながら、本件は人権侵害が行われた可能性のある事案であります。
中居氏に対して適切な検証を行わず、番組出演を継続してしまったこと、そして本件の背景にあると考えられる、タレントや関係者との会食の在り方等について検証できていなかったことなど、今振り返れば、対応に至らない点があったと痛感しおります。 そうした責任は私にあり、すなわち私自身が人権への認識が不足していた事、そのことで会社全体のガバナンスを十分に機能させられることができなかった。 願わくば、ご本人にお会いして直接おわびしたいと考えています。
■会見の参加者は400人以上 参加メディアを制限しない会見で改めて経緯の説明が行われた

1回目と違い、動画撮影が可能で、参加メディアを制限しないオープンな形式で行われた会見。
参加者は異例の400人以上に。 広報局長から、改めて経緯の説明があった。
フジテレビ 上野陽一広報局長:2023年6月に起きたと認識。昨年末に一部報道で、中居氏と女性との件について弊社社員Aが事案に関わっていると報じられました。この件につきましては、当社としては現時点でも社員Aが問題の食事会そのものに関与はしていないと判断しております。 ある社員が女性と話をし、事案を認識するに至りました。
女性から伺った内容から、弊社は当事者二人の極めてセンシティブな領域の問題と認識。 まずは何よりも女性の体調面の状況把握、回復が大事と考え、医師の判断を仰ぎながら専門医とも連携し、以降、その専門医の指示に基づき対応していくことになりました。
一方で女性から“事案を公にせず、他者に知られずに仕事に復帰したい”という強い意向がありました。女性の意思を尊重し、情報が漏れることのないように、極めて機密性の高い事案として情報管理を行いました。 事案の性質から幹部社員、役員、最終的には社長まで報告されましたが、社内では数名のみが知る状況でした。 なお社長への報告は2023年8月でした。
■「犯罪的な関係があるのか?」の質問には「分かりません」

その後行われた質疑応答では。
(Q.報告を受けたのが8月、なぜ時間がかかったのか聞きたいが、肝心なことは、人権侵害に関すること、犯罪的なことが関係していたのか?)
フジテレビ 港浩一社長:当初は、プライベートな事案なのか、というような認識もありました。私のところに報告が上がったのは2カ月弱後です。最初に声をかけて、心配して話を聞いたことを聞きますと、センシティブでプライベートな案件なのかということは、判断が難しかったと聞いています。
(Q.刑事的な問題はあったのか?)
フジテレビ 港浩一社長:それは分かりません。プライベートな出来事と思いますから、そういうようなことは聞いたこともありませんし、そういうことも第三者委員会で調査対象になるのか、でも私、分かりません。
(Q.当事者の女性が編成幹部A氏の手引きで、港社長の誕生会に参加させられたとの証言は?)
フジテレビ 港浩一社長:ちょうどその日が私の誕生日でしたので、後輩たちがお祝いの会を開いてくれました。7、8人参加してくれました。名前を特定するのはご容赦いただきたいのですが、その中に女性もいました。誕生日のお祝いという主旨ですから、和やかで楽しかったのでありがたかったのですが、参加した女性が果たして喜んで参加していたのか、そんなに気が進まないけれども参加していたのか、その時は思いが至りませんでしたから分かりません。
■経営陣の責任は?「今後それぞれが、どういう責任をとるかが重要。新組織は暫定的」

そして、経営陣の責任の取り方について。 問われたのは、フジテレビの日枝久取締役相談役の責任についてだ。
記者:長く取締役をしていた日枝氏が、最も責任が重いはずですが、なぜここに日枝取締役相談役がいないのか?
フジテレビ 遠藤龍之介副会長:日枝がここに来る来ないよりも、今後それぞれが、どういう責任をとるかが重要だと思っております。嘉納と港が退任した後のフジテレビは新組織になりますが、これはあくまで暫定的なものになります。 第三者委員会の報告が、いつ出るのかは存じ上げません。これは第三者委員会の方々の決定によるものですが、その時期というのを、ひとつのめどとして、それぞれの役員がそれぞれの責任をとるべきだと思っておりまして、それは常勤役員全員に波及するものだと思います。この表現でご理解いただけますでしょうか。
(Q.嘉納会長と港社長が冒頭辞任の発表をされましたが、日枝相談役が長年トップにたっている御社で、2人(嘉納会長と港社長)の辞任は、正直、世間からトカゲのしっぽ切りにしか見えないと思います)
第三者委員会の報告書が出るのは3月末がめどとされている。
(関西テレビ「newsランナー」2025年1月27日放送)