中居正広氏の女性とのトラブルをめぐり、その対応を厳しく非難されているフジテレビ。

■【動画で見る】『報道機関として自殺をした』『一般感覚が著しく欠如』フジテレビ社員から悲痛な声

23日に行われた社員説明会の内容を報道番組で扱うなど、異例の展開となっている。

フジテレビ 港浩一社長:(17日の会見は)終わって失敗したと思いました。業務の支障を招いていることを深くお詫びします。

■フジテレビ「社員向け説明会」社員1100人が参加

この記事の画像(10枚)

23日、フジテレビの嘉納会長と港社長などが出席して行われた社員向け説明会。

社員およそ1200人のうち、約450人が会場に集まったほか、リモートを含めると参加者は1100人にのぼった。

一部週刊誌などが、おととし6月、中居氏と女性との間にトラブルが発生し、中居氏が女性に解決金を支払って示談したなどと報道した問題。

今月17日の港社長の会見では、一部の限られたメディアの参加しか認められず、動画の撮影も禁止されたことなどが、閉鎖的と批判される事態となったのだ。

そして、23日の説明会は、フジテレビ自身の報道番組が中継で内容を伝えるという異例の放送を行った。

フジテレビ 宮司愛海キャスター:(この説明会は)非公開のものではありますけれども、先日の記者会見での説明が不十分だったというご指摘そしてご非難をいただいている上で、番組として判断してこのように視聴者の皆様に共有したくお伝えしています。

4時間半にも及んだ説明会の内容とは。

フジテレビ 宮司愛海キャスター:被害に遭われている方のプライバシー・人権を最優先にやってきたということ、そしてその方のことをずっと大事にしていきたいといった言葉もありました。

■中居氏のキャスティング「初動のところで距離を置くべきだった」

会長と社長の謝罪から始まった説明会。質疑応答では…。

フジテレビ社員:新規の番組・特番というのを何本も作ってます。何本も中居氏を起用して作っています。そういったキャスティングに関してストップがかからなかったのか?

フジテレビ 嘉納修治会長:そこの初動のところで、やっぱり今後フジとしては中居氏とは距離を置こうと僕はやっぱりやるべきだったと思います。できていなかったというのは、正直言って反省すべき点だった。

■「フジテレビは今後二度とカメラの前で説明責任を求められなくなる」

そして、港社長の前回の記者会見について。

フジテレビ社員:報道・情報の取材現場は半世紀以上にわたって疑念が持たれる人に対しカメラの前で説明責任を果たすように繰り返し強く求めてきました。その点、報道メディアがカメラ会見しなかったことで、『報道機関として自殺をした』と言われています。フジテレビは今後二度と取材相手に対し、カメラの前で説明責任を求められなくなると言っても過言ではないと思う。

フジテレビ 港浩一社長:ここから先、どうしていけばいいということ。ひとつひとつやっていくしかないでしょうけど、まずは次の記者会見から姿勢を見せていく。本当に申し訳なかったと思う。

フジテレビ社員:(17日の会見の報道を)テレビで見ていたんですけど、一般感覚が著しく欠如しているなという感覚を得ました。

社員からはフジテレビのトップである港社長の責任を問う声も次々と上がった。

フジテレビ 港浩一社長:責任は重く受け止めています。それで理解してください。最終的に決定したのは私なので。

■第三者委員会設置、オープンな記者会見開催が決まる

フジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングスは23日、臨時の取締役会を開催。

終了後、金光修社長が取材に応じた。

フジ・メディア・ホールディングス 金光修社長:日弁連のガイドラインに従った第三者委員会の設置が議論され、決議を受け、承認されました。

第三者委員会の設置を決定し、3月末をめどに調査報告書が提出される予定だと発表。

さらに、27日、月曜日にオープンな形式で記者会見を開くことも合わせて決定されたということだ。

■「信頼回復に努めていただきたい」と総務大臣

こうした動きを受け24日、村上総務大臣もフジテレビについて言及。

村上誠一郎総務大臣:第三者委員会において、早期に調査を進め、その結果を踏まえ、適切に判断・対応していただきたい旨を要請いたしました。フジテレビにおきましては、早急に事実関係を明らかにして、スポンサーや視聴者の信頼回復に努めていただきたいと考えております。

早期の調査と適切な対応を求めたことを明らかにした。

27日月曜日のフジテレビの会見は、午後4時から行われる。

経営陣は社内外から向けられる厳しい声にどのように向き合うのか、フジテレビの対応が問われている。

■9割以上の社員が参加した社員説明会で17日会見の港社長「悪い影響が出た本当に申し訳ない」

フジテレビの社員説明会が23日、4時間半に及び行われた。

説明したのは、嘉納会長と港社長だ。

リモートを含め、9割以上の社員およそ1100人が参加し、217件の質問があったという。

質問の一部を紹介する。

Q.1月17日に行われた、一部の報道機関しか参加が認められず、テレビカメラの撮影は認められなかったクローズの会見について。

港社長:悪い影響が出たことに関し、本当に申し訳ないと思う。次の記者会見から、姿勢を見せていく。

そして、経営陣の責任についてはそれぞれ次のように答えた。

嘉納会長:経営責任もあると思っている。
港社長:責任は重く受け止めている。

■コンプライアンス担当部署にも相談なし

関西テレビの神崎報道デスクは、説明会に参加したフジテレビ社員に話を聞いたという。

関西テレビ 神崎博報道デスク:経営陣の責任について、社長と会長に対して社員の方から、即時退陣、辞めてもらうようにと求め、そこで言質を取ろうとしたんですけど、そこでは“辞める”という発言はなかったということです。

それから中居氏の当該の問題について、本当に社内では限られた人しか知らなくて、例えば会社でこういう問題が起きた時に、コンプライアンス担当の部署があります。そこのトップですら、この事案を知らなかったということが社員の集会で明らかになったということです。

■「説明責任を果たそうとしない姿勢が一番大きな問題」と専門家は指摘

来週27日に行われるフジテレビの会見について、詳細が分かった。

・午後4時からフルオープンで開催、動画撮影可で、参加者制限のなし
・説明者はフジテレビの嘉納会長、遠藤副会長、港社長、親会社のフジメディアホールディングスの金光社長

一連のフジテレビの対応について、27日の記者会見を含む今後について、企業の危機管理に詳しい、エイレックスの久我誠さんに聞いた。

まず久我さんは、当初の閉鎖された環境でのクローズの会見について、「疑念を払拭(ふっしょく)するために、何が大切なのか、優先順位を見誤った。説明責任を果たそうとしない姿勢が一番大きな問題」だと話した。

そのうえで来週27日の会見については、「事案ついて具体的に答えられないのでは」と述べ、「“第三者委員会への全面協力”を打ちだすしかない」と指摘する。

さらに、経営陣の責任については、「一連の報告を受けていたか、などを基準に、該当すれば退任は避けられない」とコメントしている。

17日の記者会見の問題点はもちろん、今後についても経営陣の退任など、厳しい状況を予想している。

■うそついた事について謝罪するぐらいから始めないと…

この一連の問題について京都大学大学院の藤井聡教授は、「港社長の説明は完全に破綻している」と指摘する。

京都大学大学院 藤井聡教授:社員の方からも話がありましたが、公正中立にしっかりと説明責任を果たせと言い続けてきた、報道機関のトップがこういう報道、こういう対応を図ったということは、フジテレビそのものに対する国民の信頼を著しく傷つけたことになり、これを回復するのは一朝一夕では全くならないだろうと思われるの、が一点。

それからもう一つは、やはり社員の方からの指摘がありましたですけれども、港社長はこの事案が起こった後も中居さんがテレビに出続けていたのは、『急に出なくなったら違和感が生じ、それによって女性を守れなくなるということを危惧した』と説明をしてたんですが、新番組、あるいは特番で中居さんを起用しているわけです。

その事実を考えると、この港さんの説明は、完全に破綻していることは確実だと、多くの国民は受け止めると思います。したがって多くの国民は、港さんは第一回目の会見の時に、うそをついたんだなと判断しているところにあると思います。まず謝罪するんだとしたら、そのうそをついたことについて謝罪するぐらいから始めないと、信頼回復が難しいのではないかと私は感じました。

社会の厳しい目が注がれる中で、27日、月曜日午後4時から真摯な会見が求められる。

(関西テレビ「newsランナー」2025月1月24日放送)

関西テレビ
関西テレビ

滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・徳島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。