一連の問題を受け、23日、フジテレビの副会長が記者の取材に応じた。フジテレビの現役幹部がこの問題でカメラ取材に応じるのは初めてのことだ。

■【動画で見る】信頼回復できるか『フジテレビ』中居氏の番組終了タイミング「なぜ逸したのか分からない」と副会長 「隠蔽疑われても仕方ない」菊地弁護士

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フジテレビ 遠藤龍之介副会長:トラブルの本当の内容というのが、私も含めて分かっていないんですが、この前後の問題を聞いて、非常に…ショックを受けましたね」

■“動画撮影禁止”など制約も受けた社長会見でも強い批判

23日午後3時前に始まった記者会見。問題の発覚以降、フジテレビの現役幹部がカメラ取材に応じるのは初めてのことだ。

一部週刊誌などが、中居氏と女性との間にトラブルが発生し、中居氏が女性に解決金を支払って示談したなどと報道。またフジテレビ社員の関与についても当初、報じられた。

フジテレビはこれまで関与を否定しているが、一連の問題について説明するために開かれた社長の会見がフジテレビに対する批判を一層強めることになった。

会見では動画撮影などが禁止されたほか、一部の限られたメディアの参加しか認められなかった。

この対応について23日、フジテレビの副会長がカメラの前で取材に応じた。民放連の会長としての会見を終えた後、フジテレビの対応に関する質問が相次いだ。

Q.フジの副会長として今回の中居さんの一件を知ったのはいつ?
フジテレビ 遠藤龍之介副会長:昨年の12月の中旬ぐらいだったと思います。自宅に文春さんがいらっしゃいました。

Q.(フジテレビの)港社長があのスタイルで会見を開くというのは知っていたか?
フジテレビ 遠藤龍之介副会長:社長会見を前倒しで会見を開くというのは存じていました。テレビを入れないで開くというのは直前に聞きました。

■「『まつもtoなかい』の終了時」に打ち切りできた?に「なぜ逸したかわからない」

Q.民放連の会長として物を申したりは?
フジテレビ 遠藤龍之介副会長:民放連の会長としてそこに物を申すということはありません。個人的な感触としては、これは結構厳しいのかなと思いました。

Q.中居氏の番組出演を継続させたフジテレビの対応は理由が十分であったか?
フジテレビ 遠藤龍之介副会長:プライバシーを守りながら、中居さんサイドと接触をしたり、番組を打ち切る交渉を始めるということが、どういう形でできたのかということを考えます。そういうことができたのかどうか。できたとしたらどういう形でできたのか。

フジテレビ 遠藤龍之介副会長:メンタルが相当彼女が疲弊していたとすれば、刺激を与えないように中居氏サイドと交渉する、それがまた漏れた時に、彼女にどうするのかという難しいテーマだったと思います。

Q.例えば去年の3月いっぱいで打ち切るのは大きなチャンスだったが、なぜできなかったのか? フジテレビ 遠藤龍之介副会長:確かに『まつもtoなかい』の終了時に、松本(人志)さんがあの事件を起こして、松本さんが『まつもtoなかい』を退いた時に、(打ち切りを)できたのではないか。これは本当にそういうチャンスがあったなと。じゃあなぜ逸したんだろうということは、私も今分かっておりません。申し訳ありません。

■「日枝久氏体制が一新されないとフジテレビは変わらないのでは?」の質問に…

フジテレビ 遠藤龍之介副会長:昨今、『企業風土』というようなことも私どもに対しては言われますが、確かにそういうものの改善ということが必要なんだろうということでいうと、かなり根源的なことだろうと思わざるを得ません。

Q(取締役相談役の)日枝久氏の体制が一新されないとフジテレビは変わらないのでは?
フジテレビ 遠藤龍之介副会長:…。すごく、全てのことを日枝が決めていると言われるんですけど、実はそんなことは本当にないんです。ただ影響力があることは間違いないので、日枝自身がどうするのかというのは、私がここで申し上げることではないんですけど、いずれにしてもさっき申し上げた企業風土というものの中の一部に、私も大多も港も、もしかしたら日枝もいるということなのかもしれない。

■大株主からも厳しい言葉

批判は大株主からも。物言う株主として知られるアメリカの投資ファンド「ダルトン・インベストメンツ」は21日、フジテレビに次のような書簡を送った。

ダルトン・インベストメンツ:真の第三者委員会の設置と信頼回復に向けた再度のお願い

ダルトン・インベストメンツ:フジ・メディア・ホールディングス・グループには、深刻なコーポレート・ガバナンスの欠陥があります。

文書には厳しい言葉が並んだ。

この書簡の中でダルトン側は、フジテレビ・港社長が示した「弁護士を中心とした調査委員会の設置」を問題視。設置する第三者委員会は、日弁連のガイドラインに沿った委員構成にすることや、全てのメディアが参加できる社長会見を今週にも開くことを求めた。

その上で、少なくともことし6月のフジ・メディア・ホールディングスの定期株主総会の1カ月前までには、調査結果と最終報告書を公表する必要があると指摘した。

こうした中、フジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングスは、23日午後、臨時取締役会を開催。「公表すべきことが決議された場合、速やかに公表する」としている。

事態の収束が全く見通せない状況の中、フジテレビは今後、適切な対応を取っていくことができるのか。 視聴者、取引企業など全ての人から厳しい視線が向けられている。

■中居氏の番組継続「“隠蔽”と捉えられても仕方がない経過だった」と菊地弁護士

23日のフジテレビ・遠藤副会長の発言をまとめる。

・中居氏と女性とのトラブルについて
私は、去年12月中旬に知った。トラブルの内容は分かっていないが、前後の問題を聞いて非常にショックを受けた。

・1月17日のフジテレビ会見について
非常に反省するべきことがある会見だった。個人的には厳しいと思った。フルオープンの会見が必要だと思っている。

・中居氏の番組はなぜ継続していたのか
(当事者の女性の)メンタルが相当疲弊していたとすれば、刺激を与えないように中居サイドと交渉する。それが漏れたときに、彼女に対しどうするのか難しいテーマだったと思う。

・去年3月に打ち切りの機会もあったのではないか
『まつもtoなかい』の終了時に確かにチャンスはあったと思う。なぜ逸したのか私も分かっていない。

女性を守ることが最優先だったということだが、番組を終わらせるタイミングはあったと話をしている。

菊地幸夫弁護士
菊地幸夫弁護士

菊地幸夫弁護士:番組あるいは中居さんを優先したと捉えています。仕方がないんだと思います。もちろん女性のプライバシーを守らなければいけない、守秘義務なりなんなりあって、それを尊重するのは当然のことです。ただ結果的に、反面として番組が続いてしまったというようなことは、“隠蔽”と捉えられても仕方がない経過だったんじゃないのかと思います。

(関西テレビ「newsランナー」2025年1月23日放送)

関西テレビ
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