23日午後6時前、フジ・メディア・ホールディングス(フジテレビ親会社)の金光修社長が会見を開き、日弁連のガイドラインに準拠した第三者委員会を設置することを決めたと発表。
またフジテレビが、1月27日にオープンな形で会見を行うことも発表された。
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■第三者委員会 3月の最終報告はどこまで出すのか
フジ・メディア・ホールディングス 金光修社長の発言内容から、まず「第三者委員会の設置」について次のような内容があった。
フジ・メディアHD 金光修社長:きょうの臨時取締役会で第三者委員会の設置が決議された。3月末までに調査報告を出すということで承認をもらった。
委員長1人、サブで2人の弁護士。調査するのは幅があるが12人~20人ぐらいの弁護士が稼働する。

これについて菊地弁護士は次のように解説した。
菊地幸夫弁護士:いわゆる第三者委員会というのは3人。委員長1人、サブ2人で構成される。その他、3人だけでは作業量として無理ですので、実働部隊がその下につくのが10人~20人ぐらいということですね。
菊地幸夫弁護士:要はどこまでやるかということです。事実関係の確認、フジテレビの会社としての対応がよかったのかどうか、これだけだったら調査にそんなに時間もかからないと思います。
菊地幸夫弁護士:企業風土、企業文化、今までどんな経緯があったのかというところまでやると、20人ぐらいの弁護士がいろんな人にヒアリングをすることになり、時間がかかると思います。
菊地幸夫弁護士:いずれにしろ『3月末までに調査報告』というのは、大急ぎということで、最終的な報告書を起案する時間もありますので、かなり頑張って作業をやりますという宣言をしたということですね。
■「外から言われたからやるのではない」
第三者委員会設置についてさらに以下のような発言があった。
フジ・メディアHD 金光修社長:外から言われたからやったというつもりはない。最初からきょうの取締役で第三者委員会を設置する議案を上げる意思もあった。

これについて菊地弁護士は、「最初から第三者委員会をやるつもりだったのなら、社長会見の時に言えばよかった」と指摘した。
菊地幸夫弁護士:そうであれば、最初の社長の会見の時に、その旨を言えばいいんです。逆に日弁連のガイドラインに従った委員会とは違うかもしれないというような、その辺をどう表現するのか、打ち合わせが不十分だったのか。あるいはきょうの金光社長の言葉とは違って、最初は日弁連のガイドラインとは違うものを予測していたのか、そこはちょっとよく分からないですね。
関西テレビ 神崎博報道デスク:金光社長の説明としては、アメリカの投資会社から言われて、あえて第三者委員会を日弁連のガイドラインに沿った形にしたわけじゃない。自分たちでも考えてそうしようと思っていたというニュアンスだと思います。いずれにしても実質2カ月ぐらいで再発防止策まで最終報告するというのは、かなり急ピッチで、スピード感を持った委員会になると思います。
株主である、外資のダルトン・インベストメントは5月までの調査を求めていたので、3月という期限はそれよりも早いものだ。
菊地幸夫弁護士:なかなか厳しい作業だと思いますけれど、『3月』と出したということは、ある程度自信があるんだろうと思います。
■旧ジャニーズ、松本人志さんの問題の裏で「“隠蔽”疑われても仕方ない」
菊地弁護士はここまでの経緯を踏まえたうえで、「旧ジャニーズ事務所や松本人志さんの問題があったのに、この問題が出てこなかったというのは、隠蔽を疑われても仕方がない」と批判した。

菊地幸夫弁護士:この問題、振り返ってみれば、2023年の6月ぐらいに発覚したと聞いていますが、2023年で我々が思い出すのが旧ジャニーズ事務所の問題です。揺れに揺れた性被害の問題の陰で、これも同じ性被害と言えるのかどうか、進行していた。これを表に出してしまうと、ジャニーズ問題と同じように大変な問題になってしまうということで隠したのではないかという疑惑が湧いてくる。
菊地幸夫弁護士:1年前の松本人志さんの問題が出たにも関わらず、この問題は表に出てこなかった。“隠蔽”ということを疑われても仕方がないような経緯がありました。だからこれから、どれだけ風通しよくスムーズに開示して、オープンな議論を尽くすことができるのか、できないのかというのは、フジテレビという企業の命運がかかってくると思います。
菊地幸夫弁護士:3月というのは、4月からの例えば番組改編に、スポンサーの方にご協力いただくというような意図があるのかどうか、私はちょっとよく分からないですけれども、いずれにしろこれからの対応は日本中が見ていますので、この会社にとって非常に重要なポイントになると思います。
■批判受けたフジテレビ社長会見 27日にオープンな形で再度開く
金光社長はフジテレビが実施する記者会見についても説明した。
フジ・メディアHD 金光修社長:今月27日(月)にオープンな形で会見を行う。フジテレビは信頼を失っている。スポンサー、社員、視聴者の信頼の回復が急務である。できる限りの対応・対策をしなければならない。

視聴者の方々、そしてスポンサーの皆さんに通じるのかどうか、菊地弁護士は「大きなターニングポイントになる可能性はある」と最後に指摘した。
オープンな形で、納得できるような会見になることが望まれる。
(関西テレビ「newsランナー」 2025年1月23日放送)