就任後、次々と「アメリカ第一主義」の政策を打ち出す、アメリカのトランプ新大統領。
中国に対しても、21日、「10%の追加関税を検討している」と表明しました。

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そんな新トランプ政権でひときわ存在感を放つのが、新設された「政府効率化省」のトップに立つ、実業家のイーロン・マスク氏(53)です。

米中関係が“ここ数十年で最悪”と言われる中、今後、中国とビジネス面でつながりの深いイーロン・マスク氏が、そのカギを握るのではないかとの見方も。

さらに、米中関係を巡っては、イーロン・マスク氏の母親でファッションモデルを務めるメイ・マスク氏にも注目が集まっています。

マスク氏詣で”習近平指導部も重要視か

アメリカと中国の関係の“カギ”を握るといわれている、マスク親子。

中国国営新華社通信は、早くも“初詣”ならぬ“マスク氏詣で”と、就任式に出席するため訪米中の中国・韓正国家副主席が、19日にイーロン・マスク氏と会談したと伝えました。
習近平指導部も、イーロン氏の影響力を重要視していることの表れとみられます。

イーロン氏が経営する電気自動車大手の「テスラ」は、中国市場に根を張り上海に巨大工場を造ることでコストダウンを実現。中国の自動車産業も活性化させました。

イーロン氏は2023年6月に、中国のSNSウェイボーで上海工場の従業員との集合写真を投稿し、「彼らは多くの困難を克服し、優秀な成績を収めた」と従業員を称賛しています。

母・メイ氏の中国での人気「政治目的で作られた可能性も」

中国と良好な関係を築いているのは、イーロン氏だけではありません。

イーロン氏の母親であるメイ・マスク氏(76)は、2023年から講演やモデル業で定期的に訪中。
中国寝具メーカー広報大使や、スマホ大手の広告塔を務め、中国版のインスタグラムフォロワー数は約70万人(22日時点)おり、中国各地の観光を楽しむ様子を頻繁に投稿しています。

中国で人気になったきっかけといわれているのは、メイ氏の自伝「A Woman Makes a Plan(人生は私次第)」。2020年に中国語翻訳版が出版され、ベストセラーとなりました。

イーロン氏と母親のメイ氏
イーロン氏と母親のメイ氏

本の内容は、夫からDVを受け離婚後、モデルの仕事をしながら「愛する人にはそれぞれの道を歩ませる」とイーロン氏を含めた3人の子どもを育て上げるというもの。
3人の子どもたちは、それぞれ企業のCEO、取締役、映画監督と立派に育ち、中国ではメイ氏は「偉大な母親」と、働く女性のモデルケースとして称賛されているのです。

しかし一方で、中国政治に詳しい神田外国語大学の興梠一郎教授は、「中国政府にとって、イーロン・マスク氏は利用価値のある重要な人物なので、その母親のメイ氏を人気者にして親子を取り込む政治的な狙いがある」と話し、政治目的で“作られた”可能性もあるのではないかと指摘します。

渡辺和洋アナウンサー:
ひょっとしたら、このフォロワー70万人という人数も、政府がなんらかの動きでフォロワーを増やすことで、“人気者に仕立て上げている”のではないかという見られ方もあったりするわけですね。

古市憲寿氏:
でも、人気者はそんな作れないというか、もちろん一時的に注目を集められても人気は続かないと思うんですよ。
もっというなら、フォロワー70万というのはそんなに多くなくて、1億万ウェイボーだから。日本でいう7万人くらいのイメージなので、決してそんなに多くないというか、70万人は不思議でもないというか。人工的に作らなくても、それだけ本が売れれば中国では当然なのかなと。

カンニング竹山氏:
あと、“中国が政治的に作った”、仮にそうだったとしても、逆にそれはアメリカにとっても武器になるじゃないですか。

岩田明子氏:
逆に日本も今、マスクさん対策というのを考えていますから、お母さんへの対策も考えた方がいいと思います。ロビー対策がやはり日本は不足しがちですので。これからもっとパイプを太くしていかないといけなくて。

古市憲寿氏:
石破さんにそれができそうですか?

岩田明子氏:
いや、みんなで頑張るしかないでしょう。
(「めざまし8」1月23日放送)