世界がその動向に注目するトランプ氏。
日本時間の21日未明、第47代の大統領に就任する。

そのトランプ次期大統領の発言で注目されているのが、北極圏にあるグリーンランドだ。

トランプ氏は7日もグリーンランドについて言及
トランプ氏は7日もグリーンランドについて言及
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トランプ次期大統領(7日、アメリカ・フロリダ州):
安全保障と世界の自由のためにアメリカはグリーンランドが必要だ。

トランプ氏が“買収発言”したグリーンランドを緊急取材

第1次政権時も同様に、“買収発言”をしていたトランプ氏。
なぜグリーンランドに注目しているのかを探るため、FNNは揺れる現地を取材した。

FNN・田中雄気ロンドン支局長:
風があるため、やっぱりものすごく寒いですね。

デンマークの自治領であるグリーンランド
デンマークの自治領であるグリーンランド

北米とヨーロッパの間に位置し、デンマークの自治領であるグリーンランド。
約5万6000人が住む世界最大の島だが、その4分の3が氷に覆われている。

しかしアメリカにとっては、戦略的に大事な場所であるため、アメリカ軍の基地が存在している。
またロシアや中国の船舶がグリーンランド近くを経由するケースが増加し、中国企業が地下資源採掘のための投資を行ったとされている。

グリーンランドが注目される中、FNNの取材班は先週、中心都市・ヌークに入った。

ここは領有権を持つデンマークの首都コペンハーゲンより、アメリカ・ニューヨークの方が近い位置にある。

全人口の3分の1にあたる約1万9000人が暮らすこの街で目を引くのが、カラフルな伝統的な家やモダンな建物が混在する様子。
家の色はもともと意味があり、赤は教会や商店、黄色は病院など役割が割り振られていた。

中心都市ヌークには大型のショッピングモールやホテル、日本の商品も並ぶ

またオーロラ観賞などが人気で、人口2万人弱の都市とは思えないほど、大型のショッピングモールやホテルなども建っている。

現地の人が利用するスーパーには、日本の製品も並ぶ。
「日清」の食品がかなり売られていて、カップラーメンが1つ約300円、「キッコーマン」のしょうゆも1本約700円で売られていた。

そして市場では、新鮮なタラやナマズを売る準備が行われ、ハンターによって狩られたばかりのアザラシも運び込まれていた。

田中支局長がアザラシのレバーを食べてみた。

FNN・田中雄気ロンドン支局長:
においはほとんどしないですね。鶏のレバーと言われても分かんないですね。本当になんか新鮮で、とてもフレッシュでおいしいです。

トランプ氏の発言がデンマークからの独立機運を“後押し”?

この市場で働く男性は、「トランプはグリーンランドを買うことなんてできないさ。彼は人のことなんか関心がない。興味があるのは金だけさ」と話し、ほかの住民も「グリーンランドは売り物じゃない」、「ばかげたこと、まるでサーカス。われわれをばかにしているわ」と、同じく否定的な考えだった。

そして彼らが口にしたのは、「独立」という言葉だ。
「われわれが望んでいるのは独立だ」、「時間や財源など必要だけど、独立は実現するわ」などと話していた。

デンマークによる300年以上の支配からの独立機運が高まっているグリーンランド。
トランプ氏の発言は、そんな彼らの思いを後押ししたのかもしれない。

では地元の議員は、グリーンランドを取り巻く状況をどうとらえているのだろうか。

ーートランプ氏の発言に驚いた?
シウムット党、ドリス・イェンセン議員:

もちろん驚きました。なぜなら私たちは、民主主義の価値観の中で暮らしているからです。世界中から注目されていることで、私たちにはチャンスが生まれています。私たちの目標は、将来的に独立することですから。

最大野党の党首・グルーバル氏は、「われわれはデンマーク人にもアメリカ人にもなりたくない。グリーンランド人として独立したいんだ」と話した。
(「イット!」1月20日放送より)

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