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イーロン・マスク氏は“現代のラスプーチン”になるのか トランプ氏の過激発言にも影響?ホワイトハウス構内にオフィス…強まる存在感|FNNプライムオンライン
木村 太郎のNon Fake News

イーロン・マスク氏は“現代のラスプーチン”になるのか トランプ氏の過激発言にも影響?ホワイトハウス構内にオフィス…強まる存在感

Google ニュース プリファードソース

まもなくトランプ2.0がスタートするが、そのホワイトハウスでトランプ氏の身辺にあって政策にも関与し始めた世界一の富豪イーロン・マスク氏が、かつて帝政ロシアのロマノフ王朝を堕落させ崩壊に導いた“怪僧”ラスプーチンのような存在になりそうだという。

ホワイトハウス構内にオフィス…マスク氏の存在感

ニューヨーク・タイムズ紙電子版(13日)は、マスク氏がホワイトハウス内に自身のオフィスを構えることが決まったと報じた。第2期トランプ政権移行チームが決定したもので、ホワイトハウスとは別棟の「アイゼンハワー行政府ビル」に設られることになったという。別棟とはいえ、同じ構内ならば大統領の執務室や記者室のある本棟のウエストウイングへも所定のパスがあれば自由に行き来でき、マスク氏はホワイトハウスで大きな存在感を示すことになったと受け止められている。

就任式前日に行われた大規模集会でも、トランプ氏に呼ばれて登壇したマスク氏(ワシントン・1月19日)
就任式前日に行われた大規模集会でも、トランプ氏に呼ばれて登壇したマスク氏(ワシントン・1月19日)
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マスク氏は、新トランプ政権で新設の政府効率化省(DOGE)の共同議長を任命されており、閣僚クラスであることは間違いない。しかし、閣僚がホワイトハウスにオフィスを構えることは、日本に例えると首相官邸に内閣府の特命担当大臣が一室を設け、アポなしに首相の執務室に自由に出入りするようなものなので異例の配慮と言えるだろう。

トランプ氏は「富と知性を同一視」

実は、マスク氏がホワイトハウスにオフィスを与えられるかは、トランプ氏の同氏に対する信頼度を示すものとして注目されていたのだ。前述のニューヨーク・タイムズ紙の記事の共同執筆者の1人のマギー・ハーバーマン記者は6日、ジャーナリストのカラ・スワイシャーさんのポッドキャストに出演して次のように語っていた。

スワイシャーさん:
イーロン・マスクの台頭には驚きましたか?

ハーバーマン記者:
驚きませんでした。というのも、イーロン・マスクは膨大な資金を持っており、それを使ってトランプを助けてきました。トランプは富を知性と同一視する傾向があるので、これには全く驚いていません。これがどのくらい続くかが疑問ですが、それが核心的な問題です。(中略)
最近、マスクはマールアラーゴ(トランプ氏の居所)のコテージに滞在しています。そのコテージは通常、1泊2000ドル(約30万円)以上で貸し出されています。つまり、彼は本当にトランプの目の前に居座っているわけです。
ただし、トランプが大統領に就任した際、それがどうなるかは分かりません。例えば、マスクは現在、政府の経費削減イニシアチブ「DOGE」を主導しています。政府の経費削減パネル自体は珍しいものではありません。今後、パームビーチを拠点としている移行チームが、就任式のためにワシントンに移動した際、どのようになるかが見ものでしょう。

アイゼンハワー行政府ビル。ここにマスク氏のオフィスが設けられるという。
アイゼンハワー行政府ビル。ここにマスク氏のオフィスが設けられるという。

スワイシャーさん:
彼がリンカーン・ベッドルーム(ホワイトハウスの客室)に引っ越すということもあり得ますか?

ハーバーマン記者:
リンカーン・ベッドルームに引っ越すことはないと思いますが、現時点では、トランプにできるだけ近づこうとするだろうと考えています。そのためには、ホワイトハウス敷地内にオフィスを与えられる必要があります。例えば、ホワイトハウスに隣接するアイゼンハワー行政府ビルか、西棟本体内にオフィスが必要です。

スワイシャーさん:
それが実現するかどうか、注目していきましょう。

それが実現したわけで、マスク氏は今後トランプ氏周辺に自由に近づき個人的に助言するだけでなく、重要な会議や会談に同席して影響力を行使できることになる。それは担当の政府の経費削減問題に留まらないことは、同氏のトランプ政権発足前からの言動に現れている。

マスク氏は“現代のラスプーチン”になるのか

「イーロン・マスクはラスプーチン以来の最も権力ある民間人か?」

英紙「ザ・テレグラフ」電子版10日にこのような見出しの記事が掲載された。マスク氏が、帝政ロシア末期に皇帝ニコライ2世にとり入って信頼を勝ち取るとロマノフ朝を影で操り“怪僧”と呼ばれたグレゴリー・ラスプーチンを想起させるというのだ。

ラスプーチンは、祈祷と称して催眠術をかけて病を癒すなど奇跡を起こし皇帝一家の信頼を得たといわれるが、マスク氏の場合は財力が催眠術の役割を果たしているようだ。

「トランプは富を知性と同一視する」とハーバーマン記者は言ったが、マスク氏の資産は67兆円とも言われ、「ホテル王」と呼ばれるトランプ大統領といえどもとても及ばない。トランプ氏にとってマスク氏は、知性に満ちた預言者のように見えるのかもしれない。

加えて、マスク氏が繰り出す大風呂敷の話、例えば米国と欧州を結ぶ大西洋海底トンネル建設構想などにあおられてトランプ氏の発言も過激化していくように思える。

デンマークにグリーンランドの割譲を求めたり、米国が建設したパナマ運河の返還を迫ったり、カナダを米国の51番目の州にすると言ったり、大統領1期目には見られなかった過激な主張も、マスク氏に負けじと繰り出した話とも考えられる。

息子のXくんと共に登壇したマスク氏(ワシントン・1月19日)
息子のXくんと共に登壇したマスク氏(ワシントン・1月19日)

そのマスク氏は、2月に行われるドイツの総選挙を巡って極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」を強く推薦したり、英国のスターマー労働党政権の打倒も呼びかけている。こうした考えがトランプ新政権にどう反映されるか同盟国が固唾を呑んで見守っているようだ。

ただ、最近ホワイトハウス周辺では「マスク大統領」という声も聞かれるようになって、トランプ氏が不快感を示しているとも言われる。本家の怪僧ラスプーチンは、王朝の行方を危惧した貴族に毒殺されて最後を遂げたが、マスク氏も「両雄共に立たず」と、トランプ氏の身辺から退けられることになる可能性も否定できない。
【執筆:ジャーナリスト 木村太郎】
【表紙デザイン:さいとうひさし】

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木村太郎
木村太郎

理屈は後から考える。それは、やはり民主主義とは思惟の多様性だと思うからです。考え方はいっぱいあった方がいい。違う見方を提示する役割、それが僕がやってきたことで、まだまだ世の中には必要なことなんじゃないかとは思っています。
アメリカ合衆国カリフォルニア州バークレー出身。慶応義塾大学法学部卒業。
NHK記者を経験した後、フリージャーナリストに転身。フジテレビ系ニュース番組「ニュースJAPAN」や「FNNスーパーニュース」のコメンテーターを経て、現在は、フジテレビ系「Mr.サンデー」のコメンテーターを務める。

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