そう考えると、何事も「ほどほど」が大切だと言えますよね。
これは期待も同じです。
プラスもマイナスも表裏一体
人から期待をかけられたとき、その期待は、「よし、期待に応えよう」というポジティブなエネルギーにもなれば、「期待に応えられなかったらどうしよう」というネガティブなプレッシャーになることもある。
これをうっかり忘れると、相手に過度な期待をしたせいでプレッシャーを与え、大切な関係を壊しかねません。反対に自分がされる側になることも。
つまり、「期待」は、プラスの面とマイナスの面が表裏一体だということ。
私たちが誰かに期待したり、誰かから期待の言葉をかけられた時に生じる心の変化のことを、英語では「ストレス」と表現します。
ストレスというと、日本では、「期待されることによるプレッシャー」というようなマイナスの意味に使われることがほとんどですが、実はこの言葉、英語では、「期待されることによる、高揚感やワクワクする思い」というようなプラスの意味でも使われます。
期待に起因する「ストレス」という言葉に、プラスの意味とマイナスの意味の両方が含まれるというのは、実に興味深いですね。
人からの期待は、とらえ方によって自分のプラスにもできれば、マイナスに作用するという特性があることをぜひ覚えておいてください。
そう、何ごとも「やり過ぎ」はいい結果を生まないのです。

林健太郎
コーチ、リーダー育成家。合同会社ナンバーツー エグゼクティブ・コーチ。一般社団法人国際コーチ連盟(現・国際コーチング連盟)日本支部創設者。『否定しない習慣』『子どもを否定しない習慣』(ともにフォレスト出版)など著書多数。