長野県軽井沢町で起きたスキーバス事故から9年が経過した。15人の犠牲者を出したこの事故で、教え子4人を亡くした法政大学名誉教授の尾木直樹さんが1月13日に現場を訪れ、慰霊碑に祈りを捧げた。尾木さんは涙ぐみながら「今年もまた、来ました。みんなで見守っていますよ」と語り、犠牲となった学生たちを悼んだ。
「みんなで見守っています」
2016年1月15日、軽井沢町の国道でスキーツアーバスが道路脇に転落し、大学生など15人が死亡した事故から、まもなく9年を迎える。13日、教え子4人を亡くした尾木さんら法政大学の関係者が慰霊碑を訪れた。

涙ぐみ、声を震わせながら、尾木さんは慰霊碑の前で「今年もまた、来ました。みんなで見守っていますよ」と語りかけた。
「つらくなりました」
尾木さんは、犠牲となった4人を悼みながら、こう語った。
「(ゼミの同級生の)新しい家庭を築いていくとか、お子さんが生まれたりとか、大きな変化を見ていると、やっぱり4人は全然、変化ないんですよね。命を落としてしまうというのは、こういうことなんだと思ったら、つらくなりました」。
「命を預かる重み」
事故後、運行会社社長と当時の運行管理者が「事故を起こす可能性を予見できた」などとして、業務上過失致死傷の罪に問われ、実刑判決を言い渡されたが、ともに控訴している。

尾木さんは再発防止に向けて、「良心に従ってハンドルを握ってるんだと、ハンドルを握らせているんだという意識は極めて重要で、命を預かるという意味を、重みを受け止めてほしい」と訴えた。

「生き残っているわれわれが、彼らの分まで生きなきゃというのは本当なんだなと、実感が湧いてきますね」と、尾木さんは語った。
(長野放送)
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