アメリカ・ロサンゼルスで続く山火事で、日本時間13日16時までに、24人の死亡が確認された。

水本翔 記者が訪れたパシフィックパリセーズの市街地では、銀行が焼け落ちてしまっていた。周辺には避難指示が出ていて、街は静まり返っていた。強風の影響で燃え続ける山火事により、当局では24人の死亡が確認されたほか、行方不明者は数十人に上る可能性がある。

現地に住む日本人男性・杉下拓海さんが撮影した映像には、炎が強風によって迫りくる様子が映っていた。自宅の屋根から撮影したもので、自宅はこの後、全焼したという。

自宅が全焼した杉下拓海さん:
(自宅が)丸ごとなくなってたのを目の当たりにして、言葉を失った。もう少しこういう状態を想定して、迅速に対応できるような政策があっても良かったのではないかと思う。
現地では懸命な消火活動が続けられているが、今後、風が強まることが予想されていて、さらなる延焼への懸念が高まっている。
「市民よりワカサギ」トランプ氏が山火事で政敵批判も…
「イット!」青井キャスター:
延焼が拡大しているということで本当に心配な状況だが、その中で、次期大統領トランプ氏の発言が物議をかもしているそうですね。

フジテレビ解説委員室長 立石修:
トランプ氏がSNSなどで批判している人物は、ロサンゼルスのあるカリフォルニア州のニューサム知事です。
民主党の“次の大統領候補”として期待される存在で、トランプ氏にとっては政敵。トランプ氏はニューサム知事に対し、“火災拡大の責任はおまえだ”、「無能」「辞任しろ」など強烈な批判を繰り返しています。
またトランプ氏の投稿には「ニューサム知事は、カリフォルニア市民よりワカサギという役に立たない魚を守ろうとした」というものもあって、これも物議をかもしています。
青井キャスター:
ワカサギの保護と、山火事の消火が関連している?
立石 解説委員室長:
トランプ氏の中では、ということですね。2020年の第一次トランプ政権時代、トランプ氏は、カリフォルニア南部にダムを建設して水源を確保をしようとしていました。しかしニューサム知事は、生態系に影響を及ぼすとして、環境問題の観点からダム建設に反対し計画が頓挫した経緯があります。
トランプ氏は常々環境問題について懐疑的な姿勢ですが、今回も“環境問題を優先した結果、消防用水が足りなくなって火事が広がった”と批判しているのです。

青井キャスター:
それがワカサギの話に繋がっている、と。
現地に住む方からは「迅速に対応できるような政策があっても良かった」という声がありましたが、対策などがあったかどうかですよね。
立石 解説委員室長:
州の初動の検証などは必要でうが、現地は異常な乾燥が続いて強風が吹いていました。当然気候変動などの影響も考えられ、今は原因を一つに特定するのは難しい。
それよりも、政府や行政は一体化して被災者救済などにあたるフェーズだと思います。
青井キャスター:
パックンはいかがですか。

「イット!」SPキャスター パックン:
トランプ氏の発言は、ファクトチェックされています。当局曰く、ロサンゼルスの貯水湖の貯水量は歴史的な降水で、水は足りている。複数の消火栓は開けっぱなしにしているし、住民はホースやスプリンクラーで消火活動をしているため、水を運ぶパイプはその限度量を超えています。
だからこの州知事の政策一つでこうなったわけではないということだそうです。
(「イット!」2025年1月3日放送より)