幼稚園から高校まで15年間の授業料や学習塾代などをあわせた学習費が、物価高などで過去最高になったことが文科省の調査でわかった。全て公立校に通った場合は596万円、全て私立校の場合は1976万円で3倍以上の差がでることも浮き彫りになった。街の人はどのように受け止めているのか広島で聞いてみた。

学費だけでなく全てが値上がり

子供が中学2年生の50代会社員は「学費だけでなく、全ての物価が値上がりしている」としたうえで、次のように語る。

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「生活の厳しさを体感して楽ではないが、子供の未来のために金を使うのは一番身近な投資でしょうがない」と教育費は削らない方針とのことだ。

子供が6歳の30代自営業者は「今後、一番学費がかかる大学入学に向けて生活が維持できるのか、学費が増えることに不安はある」と将来の不安を語る。

「塾に行きたい」と言われたら断れない

塾の費用が高いという声も聞かれた。

40代の夫婦は「塾代が高いけど子供の目標があったので、それを応援するためには仕方ない」と語る。

また、50代の自営業者は「塾はすごく高いが、行きたいと子供から言われたらダメとは言えない。無理してでも行かせる」としたうえで、「行かなくていいなら行かせたくない。金銭面で大分違う」と本音を漏らす。

文科省の調査で1年間の「学習塾費」は多い順では、私立小学校で26万4000円、公立中学校で23万円となっていて、高校になると、公立14万8000円、私立11万3000円だ。

コロナ禍の支援金がなくなり出費増に

コロナ禍の行政の支援金がなくなり、出費が増えたという声も。

子供が小学6年生の50代主婦は「修学旅行のコロナ禍の支援がなくなった。物価高で数万円高くなり、痛い」としたうえで、「子供は大学まで行く予定なのでパパに働いてもらい、お金を貯めて楽しくハッピーに暮らせたら」と父親の稼ぎに期待をかける。

小学6年生の娘も「何に対しても、お金をとられる」と物価高を実感しているようだ。

文科省の学習費調査は、2年おきに行われているが、2023年度、幼稚園から高校まで15年間を全て公立校に通った場合の596万円は2021年度より22万円増、全て私立に通った場合の1976万円は138万円増で、いずれも過去最高を更新した。公立と私立で1年間の総額の差が最も大きいのは小学校で、私立182万8000円に対し、公立は33万6000円。

文科省は学習費が増えた背景について近年の物価上昇や、コロナ禍で控えられていた修学旅行や部活動などが再開したことが要因とみている。

(テレビ新広島)

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