キャベツをはじめとする野菜の価格高騰が続いている。特にキャベツは平年の4倍近い価格となり、長野県内のお好み焼き店では値上げを検討せざるを得ない状況だ。他の野菜も軒並み高値となっており、消費者や飲食店の悲鳴が聞こえる。市場関係者は、この状況が春まで続く可能性があると指摘している。

「40年近くやって初めて」

長野県安曇野市のお好み焼き店「おもだか」の小川博社長は、キャベツの価格高騰について「今は本当に異常。40年近くやってきて初めて。このキャベツの値段は」と驚きを隠せない。

お好み焼き店「おもだか」で使われるキャベツ
お好み焼き店「おもだか」で使われるキャベツ
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同店では1日に8玉から10玉ほどのキャベツを使用しているが、仕入れ価格の高騰に頭を悩ませている。

1玉1090円の衝撃

1月5日、兵庫県のスーパーではキャベツ1玉が1090円で販売されていた。

客からは「信じられない!なんでこんなに高いの」「ちょっと手が出ません、買えません」という声が上がった。

キャベツ卸売価格(東京都中央卸売市場 資料:農林水産省統計部)
キャベツ卸売価格(東京都中央卸売市場 資料:農林水産省統計部)

東京都中央卸売市場の1月6日の卸売価格は1kg337円と、平年の4倍近くになっている。

他の野菜も軒並み高値

キャベツほどではないものの、他の野菜も高値となっている。

長野地方卸売市場では、9日の競りでダイコンが高いもので1本およそ200円、ハクサイが1玉およそ600円と、いずれも平年の2倍から3倍程度だった。

東京都中央卸売市場の価格(円/kg)平年比 1月6日
東京都中央卸売市場の価格(円/kg)平年比 1月6日

東京都中央卸売市場の1月6日の価格でも、ダイコン、ニンジン、ハクサイ、ネギ、レタス、トマトなど多くの野菜が平年の1.5倍から2.5倍程度になっている。

「春の彼岸まで高値か」

R&Cながの青果の土屋智さんは今後の見通しについて、「春の彼岸(3月17日)くらいから春作に切り替わる。秋冬作は今の状況が続いてしまうのではないか。キャベツだけで考えると、3月中旬くらいまで高値が続くのではないか」と予想する。

9日朝の長野地方卸売市場で競り落とされた群馬県産キャベツ 6玉4500円(平年の3倍以上)
9日朝の長野地方卸売市場で競り落とされた群馬県産キャベツ 6玉4500円(平年の3倍以上)

値上げ検討も「厳しい」

「おもだか」では、ミックス玉を1枚1100円で販売しているが、キャベツの仕入れ価格が平年の4倍ほどになっているため、このまま高値が続けば値上げを検討せざるを得ないという。

(「おもだか」のミックス玉 1100円)
(「おもだか」のミックス玉 1100円)

小川社長は「売り上げと出費の差がほとんどないのが毎日の現状、なかなか厳しい。今後1年近く続くとなったら多少値上げせざるを得ないと考えていますけど、落ち着いて商売できるようになってくれるのが一番です」と話している。

(長野放送)

長野放送
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