大みそかに発生した脱線事故に伴い、一部の区間で運転を見合わせていた熊本市電について、熊本市交通局は「安全が確認できた」として、1月3日から全区間で運転を再開させた。
脱線区間のレール幅が基準値より広がる
この事故は12月31日午後に熊本市電の車両が、熊本城・市役所前電停と花畑町電停の間で脱線したもの。この脱線事故による、けが人はいない。

熊本市交通局によると、調査の結果、車両や運転操作に問題はなく、脱線した区間のレールの幅が基準値よりも数センチ広がっていて、カーブで遠心力が加わったことが原因とみられるという。

12月7日に熊本市交通局では脱線した区間の前後で工事を行っていて、その際、レールにひずみが生じ、釘が緩んだことなどが影響しているとみている。

熊本市電は1月2日まで水道町電停から辛島町電停の間で運転を見合わせていたが、2日夜に試運転を実施。「安全が確認できた」として、3日始発から全区間で運転を再開した。
市民からは「交通安全を優先してほしい」
現場周辺の軌道敷内のアスファルトは復旧工事ではがされたままでの全線再開。熊本市民は「正月大変だなあと思っていた。交通安全を優先してほしい」と話す。

熊本市交通局は当面の間、脱線が起きた区間についてレールにひずみがないか、定期的に確認し、速度制限を設けることにしている。
(テレビ熊本)