年末年始は家族や親戚などと集まる機会が増えて食卓がにぎわう季節。そんな冬の食卓で活躍するカセットコンロだが、使い方を誤ると、やけどや死亡事故などの重大な危険につながる恐れがあるとして、NITE=製品評価技術基盤機構が注意喚起を行った。
NITEによると、2014年度から2023年度までの10年間で、カセットコンロによる事故は91件発生していて、調査が完了した86件のうち使用者の誤使用や不注意が原因とみられる事故が4割と最も多いという。その中でも特に多いのが「カセットボンベが異常に熱くなるような誤った使い方をした」もので、過熱されたカセットボンベが破裂したことで、やけどや死亡事故も発生している。
誤使用・不注意が原因とみられる事故では、2014年度から2023年度までの10年間で1人が死亡、36人が軽傷を負ったと発表した。
事故事例としては、2017年4月に屋外でカセットコンロを2台並べ、1台のごとくを裏返してセットし、その上に鉄板を置いて調理していたところ、ごとくを裏返したほうのカセットボンベが過熱され、破裂する事故が発生。この事故で6人がやけどを負った。原因は、カセットボンベ内の圧力が上昇して破裂したとみられている。
このほか、2020年12月にはカセットボンベを装着して点火した際、1人がやけどを負い、建物4棟が全焼する事故が発生。原因は、カセットボンベの装着が不十分だったことで、接続部分からガスが漏れ、点火時の火花が引火したとみられている。
これらの事故を防ぐために、NITEは以下のチェックポイントを挙げている。
①「カセットコンロにカセットボンベを確実にセットする」カセットボンベの装着を誤った状態で使用すると、ガス漏れが生じて火災に至るおそれがある。装着後に異音や異臭が生じた場合は、ガス漏れの恐れがあるため直ちに取り外し使用をやめる。
②「カセットコンロを正しく使う」次のようなカセットボンベが異常に熱くなるような誤った使い方はしない・カセットコンロを2台以上並べて使用しない・IHコンロの上で使用しない・炭の火起こしに使用しない
③「カセットボンベはカセットコンロから取り外して、室内の40℃未満の場所に保管する」ストーブのそばやガスコンロのそば、こたつの中などの高温下や熱源のそばに放置しない。
(※画像は「NITE」より提供)