さらに、たとえばメイクや、新聞やネットニュースのチェックなど外に出てからでもできることは、できるだけ外出してから済ませるようにすることが重要です。

報酬が遅延しないしくみ作りを

お気に入りの香水がある人は、家でつける余裕がなくても、アトマイザーなどに入れてバッグに入れておけば外出中につけることができるかもしれません。これらの方法を実践することで、報酬が遅延しないしくみが整います。

前の晩から翌日に着る服を枕元に置いて寝ることや、まずは、何よりも「外に出てパンを買いにいく」という行動を優先するために、メイクもヘアセットもしなくていいように、マスクをして髪は束ねて外出することも。

とりあえず着替えさえすれば案外ノーメイクでも大丈夫なものです。外に出て体が完全に目覚めて元気になってきたら、持参したメイクセットで簡単に化粧をしてもいいでしょう。

洗濯は帰宅後にしたり、食材や日用品はネットスーパーで注文し、とにかく休みの日のお楽しみを最優先にすることや、起きてから出かけるまでのハードルが下がったことで、休日の朝でも布団から出ることができるようになるでしょう。

こんな悩みにも使える!

【休みの日に家事の負担が重すぎてつらい人】

家族やルームメイトがいる人は、家事の分担を話し合い、タスクを分けてみる。ひとり暮らしの人は、ラクするための家電にお金をかける。

さらに金銭的余裕のある人は、家事代行サービスの利用を検討する。精神科通院中の人は、ホームヘルパーが利用できる可能性もあるので主治医に相談しよう。

『仕事も人生も、これでうまく回る! 不器用解決事典』(朝日新聞出版)
『仕事も人生も、これでうまく回る! 不器用解決事典』(朝日新聞出版)

中島美鈴
1978年福岡生まれ、臨床心理士。公認心理師。心理学博士(九州大学)。専門は時間管理とADHDの認知行動療法。

中島美鈴
中島美鈴

1978年福岡生まれ、臨床心理士。公認心理師。心理学博士(九州大学)。専門は時間管理とADHDの認知行動療法。肥前精神医療センター、東京大学大学院総合文化研究科、福岡大学人文学部などの勤務を経て、現在は中島心理相談所 所長。他に、九州大学大学院人間環境学府にて学術協力研究員および独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター臨床研究部非常勤研究員を務める。『ADHDタイプの大人のための時間管理ワークブック』(星和書店)、『働く人のための時間管理ワークブック』(共著、星和書店)『脱ダラダラ習慣!1日3分やめるノート』(すばる舎)など著書は本書を含めて51冊にのぼる。