迅速で適切な行動が命を救った。2024年7月の大雨の際、車ごと流されそうになっていた男性を救助したとして、山形・酒田市の男性2人に感謝状が贈られた。

「知らない車が浮いていた」

12月20日、酒田市の矢口明子市長から感謝状が贈られたのは、市内の下青沢に住む消防団部長の相蘇弥さん(54)と、大蕨に住む元消防団員の荒生直人さん(57)。2人は、記録的な大雨となった7月25日午前10時すぎ、下青沢の白玉橋付近で車ごと流されそうになっていた70代の男性を救助した。

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自宅近くを流れる荒瀬川が増水し、消防団として交通規制にあたっていた相蘇さん。
偶然通りかかった荒生さんとともに、辺りの様子を確認していた。

当時の様子を語る相蘇弥さん
当時の様子を語る相蘇弥さん

相蘇さんは「ここでどんな状況かと見ていたら、知らない車が浮いていた。近づいたら人が乗っていた」と、当時の様子について話した。

何とかしなければと安全を確認しながら車に近づくと…。

相蘇弥さん:
近くまで来たら、車がこっち側に寄ってきてくれた。あちら側に流れていたら手は出せなかった。腰まで水があったが入っていって、何とかつかむことができたので、ゆっくり引っ張り込んで押さえているうちに、荒生さんが窓ガラスを割るための金属の棒を持ってきてくれて、それで何とか割って救助できた

男性を救出した直後に車は流されていったという
男性を救出した直後に車は流されていったという

男性を車から引っ張り出して救出。その直後に車は流されていったという。
発見から救出まで約5分。まさに間一髪、迅速かつ適切な行動で男性の命を救った。

相蘇さんは「こういう災害、ここまでひどいとは思わなかったが『あるだろう』という気持ちではいた。そういう状況でもみんなでどう動けるか、大事にしていきたい」と語った。
また、相蘇さんとともに男性を救助した、元消防団員の荒生直人さんは「一つ間違えたら自分たちも危なかったと、後からそう思った。でも助かって良かった」と話した。

矢口市長は「自分たちも大変な状況の中、命を救う勇気ある行動に感謝と敬服の気持ち。これからも地域のリーダーとして復興と安全・安心に力を貸してほしい」と2人にねぎらいの言葉をかけていた。

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
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