こちらは、12月4日、北海道根室市の中心街で撮影されたカラスの映像。

この後、このカラスが驚くべき行動をとる!
ブレイクダンスをするカラス 根室に現る

まるでコウモリ!?
窓際で逆立ちした!?
ブレイクダンスでよく見かける逆立ちしたままフリーズする技のようにも見える動作!

それを真冬の寒空の下、根室で華麗に決めて見せたカラス。
この謎の行動は、周辺の住民の間でも話題に!
「それもずっとやっているからね。ロールカーテンみたいのだから姿が鏡みたく見えているんじゃない?」(周辺の住民)
Q:初めて現れたのは?
「9月かそのぐらいだった気がする。毎日!ほかのカラスがいても目もくれないで自分の世界に入っていた。ガラスに映る自分の姿に惚れ惚れしているのかね?」(周辺の住民)
住民も見慣れないカラスの行動が気になっている様子。
“変わった行動”のカラスといえば―
変わった行動をするカラスといえば、2024年の夏、小樽水族館で撮影されたこちらのカラス。

この後、カラスの鳴き声に注目!
「ゴロゴロ、ゴロンア~」
聞いたことのない鳴き声。
何かを訴えている? いや、語りかけている?
真相を確かめに、我々は撮影現場の小樽水族館に突撃!

するとそこには、1羽のカラスが!
しばらく様子を伺っていると。

「カラスが今エサやりしているお客さんのそばに止まって、顔を見ていますね」(廣岡アナ)
「なんか私、いま会話していませんでした?ちょっと普段と違う鳴き方していましたよね?もしかすると、あの変な鳴き声ってエサを欲しいっていうアピールをしているんじゃないかなと思うんですよ!」(廣岡アナ)

しかし、カラスに詳しい専門家の見解は。
「鳴き声でエサをねだるということはあまりしない。唸るというか低音の声が何度か入り込んでいますよね。その時に首も上下したりする仕草がみられる。いわゆるトドとかそういうような生き物のマネをしようとしている」(杉田名誉教授)

動画でカラスが止まっていた場所はトドの展示エリア。

杉田名誉教授いわく、カラスは普段から耳にしているトドのモノマネをしている可能性を指摘!
“ブレイクダンス”の意味とは?
想像をはるかに超えるカラスの行動。
では、今回北海道根室市で撮影されたカラスのブレイクダンスのような動きは、一体何を意味しているのか?

最新の研究で分かったカラスの驚くべき行動とは!
専門家はの見解は
長年カラスの研究をしている杉田名誉教授にお聞きした。

「ズバリ、このカラスはいったい何をしている?」(廣岡アナ)
「自分が映っているという認識はできずに、目の前に別のカラスがいると考え、ひっくり返って蹴りを入れるような非常に果敢な動きとみる方が正しい」(杉田名誉教授)
それを踏まえてもう一度見てみると、窓ガラスに向かい大きく翼を広げた後、くちばしで窓ガラスをつついている。
その後、逆さまになり、よく見てみると、足で窓ガラスをちょこんと蹴っている。

杉田名誉教授いわく、このカラスは、あらゆる手段を使い目の前に現れた別のカラスに攻撃を加えているのだという。
Q:カラスは自分だとは思っていない?
「(鏡などに映る姿を)自分だと思う現象を『鏡像認知』という言葉で表現するが、賢いと言われる日本のハシブトガラスやハシボソガラス共に、『鏡像認知』ができるという証明はまだされていない」(杉田名誉教授)

鏡などを見て映っているのが自分だとわかる「鏡像認知」。
チンパンジーやイルカ、鳥ではカササギなどが、鏡に映る自分の姿を認識できることが実験でわかっているが、カラスについてはまだ証明されていない。
よって、今回のカラスの行動は、鏡に映っているのが別のカラスだと思い、攻撃していると考えるのが自然だという。

Q:コウモリみたいにぶら下がる状況はよくある?
「よく電線なんかにもぶら下がって、長時間ではないがひっくり返って止まっていることもあるから、そんなに珍しいことではない」(杉田名誉教授)
Q:カラスがダンスをしていると感じる人もいるが?
「カラスはワルツとかはしない。おそらくガラスがあるが故に普通につかまったりすることができずに、変わった動きになる。よくすべり台をすべるカラスなんて有名ですけど、確かに一見すべり台をすべって繰り返しやっているように見えるが、あれも映っている相手を追うような風にも理解される。だから遊んでいるという理解は構わないにしても、カラス同士の別個体として認識している可能性がありますよね」(杉田名誉教授)