まず、甘い飲み物の危険性を述べる前に、「糖」と「肝臓」の関係性について整理をしておきます。
余分な糖が脂肪に変わる
脂肪肝を指摘されると、たいていの人は「じゃ、脂肪分の多い食事を控えなきゃ」と考えるものです。「肝臓に脂肪がたまっているんだから、脂肪を摂るのをいまより少なくしなきゃ」と考えるわけですね。医学や栄養学によほど詳しくない限り、誰しもまずそう考えるのが普通でしょう。
でも、違うのです。脂肪肝の形成につながるのは「脂肪」よりも「糖」です。日々体内に入る糖質が多いと、それらが「ブドウ糖→中性脂肪」と変換され、余分な糖がどんどん脂肪に変えられて、最終的に肝臓に蓄積していくのです。

つまり、甘い飲み物をはじめ、ごはん、パン、麺類、お菓子類といった糖質の多い物を摂り過ぎているのがいけないということ。
もちろん、揚げ物や肉の脂身などの「脂肪が多いもの」も摂り過ぎるのはよくないのですが、これらが肝臓に与える影響は「糖質が肝臓に与える影響」に比べればだいぶ小さいのです。
肝臓に入ってくる脂肪(遊離脂肪酸)の由来を多い順に挙げると、もっとも多いのが皮下脂肪や内臓脂肪などの脂肪組織から血中へ溶け出した脂肪で、これが60%を占めます。
次に多いのが、肝臓内で糖から合成された脂肪で、これが25%。食事で摂った脂肪分が入ってくる割合は15%にすぎません。つまり、「食べた糖」がもたらすインパクトのほうが「食べた脂肪」の約1.7倍大きいのです。