しかし、その誤解が数々の不調や病気を招き寄せる「不幸の第一歩」となるのです。脂肪肝を甘く見て放っていると、後々取り返しのつかない事態を招いて大きな後悔をするハメになりかねません。

いったい、脂肪肝の何がそんなにいけないのか。

肝臓は脂肪がたまってはいけない場所

まず、押さえておいてほしいのは「肝臓は、本来脂肪がたまってはいけない場所だ」ということです。

肝臓の脂肪のように、体内のたまってはいけないところに蓄積する脂肪は「異所性脂肪」と呼ばれています。

そもそも、体脂肪には「皮下脂肪」「内臓脂肪」「異所性脂肪」の3つがあります。

内臓脂肪よりも気をつけたいのが異所性脂肪(画像:イメージ)
内臓脂肪よりも気をつけたいのが異所性脂肪(画像:イメージ)

通常、皮下脂肪がいっぱいになると内臓脂肪がたまるようになり、皮下脂肪も内臓脂肪もパンパンになって入りきらなくなると、そこからあふれ出した脂肪が肝臓をはじめとした「異所」にたまっていくようになるわけです。

皮下脂肪は、皮膚のすぐ下につく脂肪であり、ここにたまる脂肪はたいして害をもたらしません。一方、内臓脂肪は、腸間膜をはじめとした内臓にべったりと蓄積する脂肪です。内臓脂肪がたまるとおなかがぽっこりとせり出してくるようになり、高血圧、高血糖、脂質異常症、動脈硬化といったメタボ系疾患を促進させることが知られています。

きっと、みなさんの中にも、「内臓脂肪が多いとヤバイことになる」と日々気にして警戒をしている方が多いのではないでしょうか。

脂肪が毒性を持ちダメージを与える

ただ、その内臓脂肪よりもはるかにヤバイのが異所性脂肪なのです。肝臓にたまる異所性脂肪は、内臓脂肪よりもさらに厄介な問題を引き起こします。