女性との性的関係を巡る問題で「説明責任を果たす」と会見を開いた大阪府の岸和田市長。
これまでとは一転して、「女性と不倫関係だった」と話し謝罪した。
誰もが納得のいく説明となったのだろうか?
■「不倫関係にありました」と市長 非がないという主張は「刑事責任・損害賠償責任がない」

岸和田市 永野耕平市長:相手方のお気持ちも踏まえながら、可能な限り説明責任を果たしていきたいと思います。
集まった取材陣を前に、こう切り出した岸和田市の永野耕平市長。
これまで「自分に非はない」と主張してきたが…。
岸和田市 永野耕平市長:『非がない』という説明の意味は、私に刑事責任・損害賠償責任がないという意味。ただ全てにおいて非がないわけではなく、和解調書をご覧になったら分かるように、私は数年前から一定期間、一般女性の方と不適切な関係、不倫関係にありました。このことについては認めて、心から謝罪をさせていただきたいと思います。
■これまで事実関係語らず 女性と不貞行為は「ないです」と言っていた

2019年からおよそ1年半にわたり性行為を強要したとして、大阪府内の女性から損害賠償を求められた永野市長。
謝罪と解決金500万円を支払うことなどで和解した。
永野市長はこれまで、「裁判の内容は秘匿することになっている」と主張し、事実関係について一切語らず。
また、不貞行為についても…。
(Q.不貞行為をしたこと、不倫関係だったことは?)
岸和田市永野耕平市長:ないです。
はっきりと否定していた。
■十分な説明なければ“除名” 一転「説明責任を果たしたい」と会見実施へ

そんな中、所属する大阪維新の会は、永野市長に対し「離党勧告」を行うことを決定。
その上で、「8日までに十分な説明がなければ、“除名”処分とする」としたのだ。
永野市長は「除名」処分を受けた場合は、辞職する考えを明らかにしていて、それまでの「秘匿」の姿勢から一転し、「説明責任を果たしたい」と会見を開くことになったのだ。
これを受け、大阪維新の会の吉村代表は6日。
大阪維新の会 吉村洋文代表:(永野市長の説明の)内容を見た上で、もう一度綱紀委員会・役員会を開催して、方針を判断するということになる。日曜日までに、もともと期限区切ってますから、日曜日中には対応するということになる。
■和解調書の前文を提示して会見 不倫関係認めるも性加害は否定

6日、女性側が出していた同じ和解調書の前文を提示して会見に臨んだ永野市長。
岸和田市 永野耕平市長:裁判所からは社会的な上下関係があったんじゃないかと言われています。私も人間関係としては、対等にお付き合いをしていたつもりですけど、和解する話し合いの中で、やっぱり上下関係あるんじゃないかとありましたので、上下関係の文言が入っています。上下関係がある中で不適切な交際をしていたこと、その後、紛争にいたり裁判になったことについて、謝罪をするべきということで、謝罪をしています。
(Q.性加害はあったのか?)
岸和田市 永野耕平市長:性加害はありません。
永野市長は女性との不倫関係は認めたが、これまでの主張どおり性加害については否定した。

岸和田市 永野耕平市長:相手を傷つけたとか、和解の500万円以外で相手に損害賠償しなければいけないということではないので、ご理解いただきたい。
(Q.女性に対してどう思っている?)
今ですか?今は一刻も早く、みんなが元の生活に戻ったらいいなと思ってますね。
(Q.不貞行為をしたことについては?)
極めて不適切だと思っています。これについては家族にしっかりと話して、市政については、これまで以上にしっかりやっていきたい。
(Q.これまで「不貞行為はない」などと説明の食い違う部分が多いが?)
内容について話せない中で、取材への対応でしたので、戸惑いがありまして。不貞行為については、自分に非があると思っていたが、内容に触れていくことになりますから、そこは言うわけにはいかない。ただうそを言うのもおかしい中で、自分としては答えを間違った。

今後の進退について永野市長は…。
(Q.維新が“除名処分”なら“辞職”は変わりない?)
岸和田市 永野耕平市長:そうですね、はい。しっかり説明していって、維新の除名処分がどうこうじゃなくて、今、大切なのは説明責任で、一応、僕としてはこれまでもずっと説明責任果たしてきたと思ってますけど、さらに説明責任を皆さんが思う形で果たしていきたい。努力をしていきたい一心ですね。
6日の会見で、どこまで市民への説明責任が果たせたのか、今後の動向が注目される。
■「女性の言い分と食い違いまだ納得できない」とジャーナリスト浜田氏の指摘
当初は否定していた不倫関係を認める会見となった。
関西テレビ 神崎博報道デスク:不貞行為は当初なかったと説明していましたが、きょう改めて、認めたというところです。今後、維新が『十分な説明なければ除名処分』の方針と決まっていましたが、この説明を聞いた上で、十分、説明責任を果たしたと理解するのかどうか。この週末に決まると思います。
市長は「女性と対等な付き合いだった」と言っているが、裁判所は「世間から見ると上下関係と言われても仕方ない」と指摘している。
番組コメンテーターの浜田敬子さんは次のように話す。
ジャーナリスト 浜田敬子さん:きょうの会見では、市長は『不貞関係はあったけど、性加害はない』と言ってるわけです。でも、女性の言い分と食い違っているわけです。こういった事件があった時に、やはり男性側の見方と、女性側の感じ方は全く違います。
ジャーナリスト 浜田敬子さん:特に今回の場合は、社会的上下関係があったわけです。市長は『合意があった』と認識していても、そうではないから被害届を出した可能性があるし、訴訟までしているわけです。これはすごく重く受け止めなければいけないし、やはりこの説明では、まだ納得できないところはありますね。
市長の説明を受けて、大阪維新の会がどう判断するのか注目される。
(関西テレビ「newsランナー」2024年12月6日放送)