大阪府岸和田市の永野耕平市長が女性との性的関係を巡って謝罪することなどで和解した問題で、4日、所属する大阪維新の会が十分に説明をしなければ「除名」処分とする決定をした。

一方市長は5日、「説明責任を果たすため、相手方に協議を申し入れたい」と話していた。

■【動画で見る】「不倫関係にあった」と謝罪 これまで「自分に非はない」と主張の岸和田市長 性行為強要と女性から損害賠償を求められ和解

市長は6日午後の会見で、女性と不倫関係があったことを認め、謝罪したうえで、自身の進退については「まずかったのと思うのは不貞行為、家族にしっかりと話して、市政はこれまで以上にしっかりやっていきたい」と続投の意向を表明した。

また、NHK党の立花党首に電話したことを明かし、その理由について、「僕に対して理解してくれるような投稿がありましたので、お礼を言いました」と語った。

■大阪地裁 和解調書で市長が「優越的な立場にあった」

2019年からおよそ1年半にわたり、性行為を強要したとして、政治活動で関わりがあった大阪府内の女性から損害賠償を求められた永野市長。謝罪と解決金500万円を支払うことなどで和解が成立した。

大阪地裁は和解調書で市長が「優越的な立場にあった」とする異例の所感を示した。

大阪地裁の和解調書:被告は優越的な立場にあって両者の間には社会的な上下関係が自ずと形成されていたと認めるのが相当である。被告は公人であるとともに配偶者を有する身であることも考慮すると、原告と性的関係を持つことはよくよく自制すべきであったとの非難を免れることはできない。

■「自分に責任はない」と認識示す

この記事の画像(7枚)

市議会は3日、全員協議会を開き市長を追及したが、市長は「自分に責任はない」との認識を示したうえで、裁判記録に閲覧制限がついていることなどから詳しい内容について説明しなかった。

永野市長:和解後に僕から何か申し上げることはございません。

 Q女性に対して謝罪は?

市長:僕に責任があることは認められてませんので、それについて謝罪はしておりません。

■市長から十分な説明なければ『除名』維新が決定

さらに、永野市長が所属する大阪維新の会は綱紀委員会を設置し、4日、聞き取り調査を行うため永野市長に出席を求めたが、市長は欠席。 こうした市長の一連の対応を受けて維新は、「離党勧告」を行うとした上で、今月8日までに十分な説明がなければ「除名」処分とする決定をした。

■「秘匿」の姿勢一変し「やめるような悪いことはしてない」

市長はこれまで会見や議会で説明を求められても、「秘匿」という姿勢を貫き続けてきたが、5日の会見では一変し、「女性側と協議し、話せることを話したい」と心境の変化を述べた。

市長:相手方の代理人に、こちらから『この程度なら言っていいですか?』という協議を申し入れたりとか、裁判所に対して『非開示の決定(内容)』について、開示させていただけないかということを申し出て、和解調書の内容について、皆さんに知ってもらえるようになったらいい。

 (Q.なぜこのタイミングで開示を求めたいと思った?) 

市長:僕が想像していた以上に誤解もされていますから、もうちょっと話したいなという気持ちになっていった。

また、自身の進退についても、続投の意向を示した。

市長:進退について、基本的には前から変わってない。辞めるような悪いことはしてないので、しっかり頑張っていきたい。

■吉村代表「もう一度綱紀委員会を開催して方針を判断」

大阪維新の会の吉村代表は6日の囲み取材で、市長が会見を行うことに対して「岸和田市長が説明果たすということで会見されるとお聞きしました。会見についても記者の皆さんから質問がなくなるまでやると聞いています。(会見の)内容を見たうえで、もう一度綱紀委員会、役員会を開催して方針を判断することになると思います。今日中というわけにはいかないと思いますけど、日曜日までがもともと期限なので日曜日中には対応することになると思います」と答えた。

また、市長に対して綱紀委員会への出席を求めるかどうかについて、「そうなる(求める)と思います」と答えた。

一方、市長は3日、市議会に対し「除名」処分を受けた場合は、辞職する考えを明らかにしていている。

市長:維新の会のルールの中で除名されたら、議員であったり、市長であったり、役職を辞任すべきであると書かれている。その場合は、そのような対応(辞職)になると思っています。

また、市長は維新の会に対し「離党届」を提出していますが、受理されていないということだ。

■不倫関係にあったこと認め謝罪も 「これまで以上にしっかりやっていく」と市長続投の意向

一連の騒動をうけ、市長は6日午後2時半から会見を開き、女性と不倫関係があったことを認め、謝罪した。

永野市長:これまで非がないというご説明させていただいていましたが、刑事責任がない、損害賠償責任がないという意味でありました。ただすべてにおいて非がないという意味ではなく、数年前から一定期間、一般女性と不適切な関係、不倫の関係にありました。このことについては認めて、心から謝罪させていただきたいと思っております。

また自身の進退について問われると、「まずかったのと思うのは不貞行為についてでありますので、家族にしっかりと話して、市政についてはこれまで通り、これまで以上にしっかりやっていきたいと思います」と続投の意向を示した。

■不貞行為「関係ない」当初の発言 「間違っていた」と市長

Q11月28日の囲み取材で不貞行為について「関係ない」といった発言があり、「そういうこと(不貞・不倫)はないです」とはっきり否定された場面もありましたが、今の話を伺うと説明が食い違っているように思うが受け止めを?

永野市長:内容について話せない中での取材での対応でしたので、戸惑いがありまして、不貞行為については『自分に非があるなぁ』と思っていたんですけど、ただそれを言ってしまうと、内容にどんどんどんどん触れていくことになりますから、そこは言うわけにいかない。ただウソを言うのもおかしいなぁと、そういう中で、自分としては取材に対する答えを『間違っていた』と思います。

Q当時の答えは間違っていた?

「はい」

■立花氏と電話「僕に対して理解してくれるような投稿があったのでお礼」と市長

Q立花孝志さんがyoutubeチャンネルで「岸和田市長から電話があった」という動画をあげていると思うのですが、事実ですか?

永野市長:電話しました。SNSのDMで「ありがとうございました」と(自分が)書いたと思いますね。僕に対して理解してくれるような投稿がありましたので、お礼を言いました。そのあと連絡先を交換して、電話で『どんな状況?」という話がありました。

関西テレビ
関西テレビ

滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・徳島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。