12月8日(日)、阪神ジュベナイルフィリーズ・GⅠ(以下、「阪神JF」)が京都競馬場で行われる。
阪神JFとは
2歳女王を決める若き牝馬たちの戦い。歴代の女王は翌年の3歳牝馬戦線で活躍することが多いため、見逃せないレースとなっている。
後に64年ぶりに牝馬による日本ダービー制覇を成し遂げたウオッカ(06年勝ち馬)、GⅠ6勝を挙げたブエナビスタ(08年勝ち馬)、桜花賞やヴィクトリアマイルを制覇したソダシ(20年勝ち馬)、牝馬3冠を達成したリバティアイランド(22年勝ち馬) など、歴代勝ち馬はまさにそうそうたる顔ぶれだ。
毎年阪神競馬場で行われているが、今回は改修工事中のため34年ぶりに京都競馬場で開催される。
無敗の女王へ!ブラウンラチェット

レース史上初の外国馬となるメイデイレディに注目が集まるが、迎え撃つ日本馬も強力だ。
その筆頭はブラウンラチェット。前走の10月アルテミスS・GⅢでは、馬群の中から鋭く抜け出し快勝。現在の成績は2戦2勝で無敗の女王を目指す。
ブラウンラチェットを管理する手塚貴久調教師(60)も、「前走は良い内容で勝つことができた」と今回のレースに自信をのぞかせた。

――― ブラウンラチェットの性格は
すごくおとなしくて扱いやすい。操縦性が良いとルメール騎手も言っていました。
精神状態がパニックになることもイライラすることもないので、現状で直してほしいところはないです。とても優等生でなかなかいない馬だと思います。

――― レースへの意気込みは
人気に応えられるポテンシャルと精神状態でレースを迎えられると思います。
小さい子ですが持っているパワーはすごく大きいので、皆さんの期待に応えられるレースになると思います。私自身も期待しています。
テリオスララ

前走の10月萩Sを制覇したテリオスララ。
萩Sは18年サートゥルナーリアや21年ダノンスコーピオンなどのGⅠ馬を輩出した出世レースのため、逃げ切ったテリオスララにも期待が高まる。今回も逃げ脚を発揮するだろうか。
コートアリシアン

6月の新馬戦を5馬身差で圧勝し、サートゥルナーリア産駒初のJRA勝利を飾ったコートアリシアン。
その後の8月新潟2歳S・GⅢでは2着と好走。今回は戸崎圭太騎手(44)と初めてコンビを組んで挑むが、勝利すればサートゥルナーリア産駒初のGⅠ制覇となる。
ショウナンザナドゥ

前走の10月アルテミスS・GⅢでは3着だったショウナンザナドゥ。
同レース1着ブラウンラチェットと2着ミストレスとは、今回の阪神JFで再び激突。雪辱を果たすことができるか。
ランフォーヴァウ

2011年に騎手として阪神JFを制した経験を持つ福永祐一調教師が送り込むのがランフォーヴァウ。
2024年開業で重賞2勝を挙げているが、GⅠ制覇は厩舎の悲願。連勝中の勢いそのままに頂点まで駆け上がるか。
史上初の外国馬・メイデイレディ

最後に紹介するのが、阪神JF史上初の外国馬となるアメリカのメイデイレディ。
通算成績は4戦3勝で、唯一の敗戦は11月のブリーダーズCジュベナイルフィリーズターフ・G1の2着というレベルの高さを誇る。
鞍上のL.デットーリ騎手(53)は、凱旋門賞で歴代最多の6勝を挙げるなど、数多くのビッグレースで成績を残している。日本での騎乗は5年ぶりとなる“レジェンド”は、どのような手綱さばきを見せるだろうか。
メイデイレディは11月20日(水)に来日し、他の馬よりも一足早く12月2日(月)に最終追い切りを行った。共に来日したJ.リー調教師(62)は次のようにインタビューに応じた。

――― 調教の狙いは
アメリカで行っているトレーニングを日本でそのまま行いたいと思っていました。京都競馬場は右回りですが、“いつも通り”にこだわりたかったので、左回りで行いました。
――― 右回りのレースにどのように対応するか
本番は集団で走ることになり、他の馬についていく形になるので、右回りや左回りはあまり関係ないと思います。特に心配はしていません。
――― 自信は?
この馬は本当にスペシャルです。長距離輸送にとても強く、今までも結果を出してきているので、今回も良い結果が出せると思います。
12月6日(金)に発表された枠順はこちら。
第76回 阪神ジュベナイルフィリーズ・GI
京都競馬場・芝1600m
1枠1番 ビップデイジー(牝2・幸英明)
1枠2番 テリオスララ(牝2・M.デムーロ)
2枠3番 ダンツエラン(牝2・団野大成)
2枠4番 ジャルディニエ(牝2・北村友一)
3枠5番 ジューンエオス(牝2・藤岡佑介)
3枠6番 モズナナスター(牝2・田口貫太)
4枠7番 ミストレス(牝2・坂井瑠星)
4枠8番 カワキタマナレア(牝2・鮫島克駿)
5枠9番 ショウナンザナドゥ(牝2・池添謙一)
5枠10番 ブラウンラチェット(牝2・C.ルメール)
6枠11番 クリノメイ(牝2・荻野琢真)
6枠12番 アルマヴェローチェ(牝2・岩田望来)
7枠13番 コートアリシアン(牝2・戸崎圭太)
7枠14番 ランフォーヴァウ(牝2・松山弘平)
7枠15番 リリーフィールド(牝2・武豊)
8枠16番 スリールミニョン(牝2・永島まなみ)
8枠17番 メイデイレディ(牝2・L.デットーリ)
8枠18番 ミーントゥビー(牝2・松岡正海)
アメリカから参戦のメイデイレディは8枠17番、無敗の女王を目指すブラウンラチェットは5枠10番。
この世代初のGⅠを制するのは果たして。
阪神ジュベナイルフィリーズは、12月8日(日)15時40分に発走する。
みんなのKEIBA 阪神ジュベナイルフィリーズ・GⅠ
12月8日(日)午後3時00分から生放送
https://www.fujitv.co.jp/sports/keiba/