「この電話は2時間後に利用停止となります。ご不明な点がある方は1番を押してください」FNNの記者にかかってきた不審な電話。記者がだまされたふりをして進めると、“総務省の職員”を名乗る人物に加え、“高知県警本部”まで登場した。一体何のための電話だったのか。
「逮捕される可能性」“総務省職員”から突然の電話
FNNの記者にかかってきた不審な電話は、自動音声で「このお電話は2時間後に利用停止となります。ご不明な点がある方は1番を押してください」と語りかけてきた。
記者があえてその言葉通りに対応すると、電話口に出てきたのは、“総務省の職員”を名乗る人物だった。
「こちら総務省管理室コジマが担当させていただきます」
「個人情報が再度悪用され、二次被害に巻き込まれてしまう可能性が高いと考えております」
相手は総務省の担当者をかたり、「記者の電話番号が犯罪に使われ、逮捕される可能性」があるとして「警察に相談すべきだ」と伝えてきた。
「警察官の方にお伝えいただきたい内容がありますので、メモのご用意をいただいてもよろしいですか」
記者は、だまされたふりをして話を続けた。
「いまお伝えした3件大切な内容になります。一度復唱いただいてもよろしいですか」
「総務省管理室のコジマさんから連絡あり、被害届と無関係証明書を2時間以内に発行してください。パスワードが632510」
“警察官”登場…テレビ電話でのやりとりを執拗に求める
相手は、実際には存在しない“無関係証明書”を発行するため、警察署に電話をつなぐと説明。すると今度は、警察官を名乗る別の人物が応答した。
「こちら高知県警本部です。事件ですか事故ですか」
警察を装う相手に記者が先ほど聞いた内容を伝えると、相手はテレビ電話でのやりとりを執拗に求めてきた。
「警察手帳で僕の顔を見せようと思うのですが、なにかビデオ通話できるアプリなどお持ちですか」
ここで記者が「これ詐欺じゃないですか？」と踏み込んだ。すると、警察官名乗る人物は、「違います。別にしたくなければ（電話を）切っていただいても構いませんが、どちらでも構いませんよ」と答えた。記者は、確認のため電話をかけ直すと伝え、警察署の電話番号を聞いた。すると…。
「………どこや ちょっと待ってください。資料見て……あった」
警察官を名乗りながら、署の番号をすぐには答えられなかった。
警察署や専用電話へ相談を
一体どのような詐欺電話だったのか、本物の警察に確認した。
――予想される手口は？
佐賀県警察本部 安全・安心まちづくり推進室 青柳敏之室長：
「犯人でないことを証明するために、あなたの口座からいまからお伝えする口座に振り込んでください」「犯人でないことを証明できたら必ず返金しますのでご安心ください」などと言って、安心させて振り込みをさせる流れになります。
――対策は？
佐賀県警察本部 安全・安心まちづくり推進室 青柳敏之室長：
自分一人で判断せずに、相談することを心がけていただきたい。
警察は、不審な電話があって迷った時や相談したい場合は、最寄りの警察署や警察相談専用電話「＃9110」に電話するよう呼びかけている。
（「イット！」12月4日放送より）
