南北の軍事境界線を挟む制限区域内にある韓国・金浦(キンポ)市の展望台に、アメリカ発祥の大手コーヒーチェーン「スターバックス」の新店舗がオープンした。
北朝鮮を展望できる店舗には大行列ができていたが、市民からは「不安感がある」といった懸念の声も聞かれ、北朝鮮側の反応に注目が集まる。
北朝鮮から約1.4kmの場所…軍事境界線挟む制限区域内に
29日に大行列ができていたのは、韓国北部にある金浦市の愛妓峰(エギボン)展望台、北朝鮮を展望できる大手コーヒーチェーン「スターバックス」の新店舗だ。
この記事の画像(25枚)対岸の北朝鮮から川を挟んで約1.4kmの場所で、南北の軍事境界線を挟む制限区域内にある。
北朝鮮の街並み見たさに、わざわざ検閲を経て訪れる人も多くいる場所だ。
世界で初めて店内から北朝鮮を眺めることができるスターバックスということで、オープンと同時に、あっという間に店内は満席になった。
店の外には望遠鏡が設置されていて、北朝鮮側を見ると、建物や農道を歩く人、さらに犬の姿などが確認できる。
スタバに来た客は「アメリカーノを飲んで、北朝鮮がこんなに近くにあるのかと体感するようになりましたが、北朝鮮を眺めて、いろいろと思うことがあります」、「軍の検閲を過ぎて来たんです。そういうところが不思議な感じがします」と話した。
また、店舗のオープンに合わせ、観光ツアーで訪れたというソウル在住の日本人観光客の姿もあった。
観光ツアーで訪れた日本人観光客:
景色も良くて、でも川の向こうが北朝鮮ということで緊張感もある。望遠鏡で見たが不思議な感じがした。
新店舗を誘致した金浦市のキム・ビョンス市長は、金浦市を「世界的に注目される観光地にしたい」と語り、北朝鮮の人々に対し、「スターバックスが入ってきて、資本主義・市場経済・自由主義が、北朝鮮でも見て感じられる機会になればいいなと思います」と述べた。
「北朝鮮と対峙する場所」地元住民から不安の声
一方、店舗がある金浦市の一部の市民は「北朝鮮と対峙(たいじ)する場所なので、そういうところにスターバックス…」、「市民の立場としては不安感があります。(店に)行くのもちょっとためらいそうな気がする」と話す。
また、外部の文化を厳しく取り締まる北朝鮮からの反発を懸念する声も上がっている。
北朝鮮の目の前にアメリカ発祥のスターバックスがオープン——。
北朝鮮側の反応に注目が集まる。
(「イット!」11月29日放送より)