24日、52年の歴史に幕を下ろした埼玉・春日部市のスーパー「イトーヨーカドー春日部店」。
人気アニメ「クレヨンしんちゃん」に登場する「サトーココノカドー」のモデルとしても知られる店舗だ。
その最後の日を取材した。
「いろんな人の人生の思い出が詰まってる」
車道に人があふれかえり、すし詰め状態となる駅前。

あまりの人の多さに車が通れなくなっていた。
周囲からは「渋谷のハロウィーンかよ」という声も聞かれる。
人だかりの原因は、長い歴史に幕を閉じるイトーヨーカドーだった。

24日、52年の歴史に幕を下ろした埼玉・春日部市のスーパー「イトーヨーカドー春日部店」。
閉店に駆けつけた客は「最後に来られてよかった…」、「いろんな人の人生の思い出が詰まってる店ではないか」と話す。
最後の営業日、店の前には長蛇の列ができていた。
思い出を写真に収める多くの人々。
その中に、アニメのグッズを手に別れを惜しむ姿があった。
「クレヨンしんちゃん」の「サトーココノカドー」のモデル店
1972年に開店したイトーヨーカドー春日部店は、人気アニメ「クレヨンしんちゃん」に登場する「サトーココノカドー」のモデルとしても知られている。
クレヨンしんちゃんファンは「クレヨンしんちゃんのサトーココノカドーが有名なので来ました」、「(Q. 来るのは初めて?)2回ぐらい来てる。この人(父親)と!」「(Q. 春日部に住んでる?)横浜の方から来ました」、「寂しいですね。大事なものがなくなってしまったような、ぽっかりした感覚」と話した。
ネタなし“シャリだけ”のパック販売も
春日部店最後の日となった24日、店内はたくさんの人でごった返し…、

棚の商品は、すっからかんの状態に。

あまりに多くの人が駆けつけたため、店内では、すしのネタがのっていない“シャリだけ”のパックを販売するというハプニングも起きていた。
マグロなどのネタが売り切れてしまったため、仕方なく酢飯だけで売っていたのだ。
春日部市民は「(店内は)すごく混んでいた。駐車場混んでるなんて見たことない。失礼だけど…渋滞もできていて、春日部市民の憩いの場だったと思う」と話す。
そして午後7時ごろ、半世紀余り続いた店の終わりが近づいていた。
歴史的瞬間を見ようとする人が店の前に殺到し、車道にも人があふれ、車が通れなくなる場面も。

こうした混乱状態の中、店のシャッターが静かに下りると、集まった人から「ありがとー!」という声が上がった。

アニメファンと春日部市民の聖地となったイトーヨーカドー。

一方、23日に北海道・札幌市では、イトーヨーカドーの跡地にスーパーマーケットが開店し、長蛇の列ができた。
すべてのイトーヨーカドーが撤退した北海道では、ほかのスーパーに事業が引き継がれ、今後も順次オープンする予定だ。
(「イット!」11月25日放送より)