北朝鮮による拉致問題の早期解決を目指す国民集会が24日、鳥取県米子市で開かれ、林官房長官や、松本京子さんの兄・孟さんらが出席した。

集会は政府の拉致問題対策本部や鳥取県などが主催して開催し、政府からは拉致問題担当相を兼ねる林官房長官が出席した。

林長官は、「2002年に5人の被害者が帰国して以来、一人も帰国が実現していない。たいへん痛恨の極みであり、誠に申し訳なく思っている」と述べた。

集会に先立ち、松本京子さんの拉致現場を視察した林長官は、「拉致問題は決して過去の歴史上の事件ではなく、今なお、被害者が自由を奪われ、ご帰国できない状態が続いている現在進行形の問題だ」と強調。その上で、「石破政権の最重要課題であるということで、取り組んでいきたい」と決意を述べた。

その後、登壇した松本孟さんは、「寒い中、わざわざお越しいただき、ありがとうございます」と集会の参加者に謝意を述べると、「私はあれこれと申しあげません」と切り出した。

そして、「今、私の心の中にあるのは、心です。私が何を思い、何を考え、そして、暮らしてきているのか。妹が帰ってくる。そのことだけを楽しみに生きているのです。それは紛れもない心です」と述べた。

孟さんは、「心の温かさ。冷たい心では人が動きません」とした上で、「温かい心を持って、必ず北朝鮮に言うことを聞かせます。難しいことではございません。心でぶつかっていけば、必ず相手も折れます。また、向こうから降りてきます。必ず降ります」と語った。

さらに、「どんな人であろうと、金が欲しかろうと、玉が欲しかろうと、命にかえるものはございません」として、「皆さん方の温かい心を、ぜひ私どもに授けてください。そして、松本京子が帰ってこられる、その日まで、どうぞよろしくお願い致します」と訴えた。

石破首相は集会にメッセージを寄せ、「拉致問題は誘拐事件であるにとどまらず、その本質は国家主権の侵害だ。拉致被害者や家族が高齢となる中で、ひとときもゆるがせにできない人道問題だ」と指摘。

「政権の最重要課題だ」と位置づけ、「国家として、また私自身の断固たる決意の下、その解決に取り組んでいく」として、「全ての拉致被害者の一日も早い帰国のため力を尽くしていく所存だ」と強調した。

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政治部
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