コロナ禍をきっかけに、急速に定着しつつある「家族葬」。2024年の葬儀に関する調査では、回答者の半数が「家族葬を選択した」と回答しました。

80代:
家族葬のつもりでおります、自分のことは。若い人に負担をかけたくないから。

70代:
家族葬でやってみて、身内だけでいいなと思いましたね。

参列者が少なく、費用を抑えられるイメージから、“残された人たちに負担をかけたくない”と自ら選択する人も少なくありません。

しかし、ここ数年、葬儀やお墓など“家族葬の料金トラブル”が問題となっているのです。
一体何が起こっているのでしょうか?
「10万円から」が最終的に200万円
「めざまし8」が取材したのは、娘婿の母親が亡くなり、11月に親族で家族葬を行ったという50代の女性。

家族葬を行った50代女性:
怒りしかないですね。高すぎます!

怒りの原因は、その葬儀にかかった費用でした。
母親が亡くなった親族は、「葬儀代が10万円台から」という広告にひかれ、葬儀会社を決定。しかし…。

家族葬を行った50代女性:
50万円くらいで収まるだろうと、思っていたのが、ふたを開けると200万円って言われたので。
色々と提案されて、あれよあれよという間に契約していたという感じです。遺体をきれいに保存しておく(料金)、あとは、(遺体を安置する)冷蔵庫みたいな場所が1日いくら…っていう感じで上がっていったんです。

葬儀の準備で思考が追いつかない間に「あれもこれも」と増えていき、最終的に提示された金額は、想定の約4倍。
結果的に、広告に表示されていた最低料金とは、大きな差が出てしまいました。

家族葬を行った50代女性:
娘婿も娘も私も主人もみんな、「ぼったくりや」と言葉が出ました。
心の準備っていうのもできない中でのお葬式への準備なので、言われるがまま、されるがままみたいな感じでしたね。
「追加料金なし」うたう…悪質なものには行政処分も
「家族葬」の広まりとともに、増加する「葬儀費用」を巡っての相談。悪質なものについては、行政処分によって課徴金を命じられている葬儀会社も出てきています。
通常、葬儀の種類によって料金が異なりますが、条件によっては追加料金がかかるにもかかわらず、あたかも「一切追加料金が発生しないように広告していた」ことで、行政処分が下されたケースをいくつかご紹介します。

▼A社
「追加料金不要」と広告に表示
▼B社
「必要なものが全てコミコミだから安心」「この金額で葬儀ができます」とホームページに表示

▼C社
「追加料金が本当にかからないお葬式」「完全定額プラン」「追加料金一切不要の安心価格」などとホームページに表示
(※C社は1億円を超える課徴金納付命令が出ている)
実際は、寝台車・霊きゅう車などの移動距離が50kmを超える、安置日数が設定日数を超える(通常3~4日)、火葬場や斎場の利用料が一定額を超えた場合などは、追加料金が発生します。

――めざまし8が取材した、家族葬が200万円になったケースは高額なのでしょうか?
葬儀事情に詳しい「鎌倉新書」兵藤大介さん:
一概に判断するのは難しいですが、昨今の相場ですとか、当社のサービス利用例から考えると高い印象は受けます。ただ、人数や会場の規模にもよりますので。
トラブルにならないために
業者とトラブルにならないためには、どうしたらいいのか。兵藤大介さんによると、以下のポイントを押さえておくことが大切だといいます。

① 葬儀業者に予算をしっかり伝える
「総額でいくらまで」と決める。予算目安があれば、葬儀業者もオプションを最小限にしてくれる。
② 2社以上に見積もりを出してもらう
短時間で色々決めないといけない中で、2社以上に同時並行で見積もりを出してもらい比較する。金額交渉で少しでも安くしてもらえる可能性がある。
精神的に参っている状態でも、そこは冷静に判断する。
また、地域ごとで火葬代、式場代、移動費など価格の幅が広いので、家族の中で事前に調べて基準を決めておくのも有効です。
葬儀事情に詳しい「鎌倉新書」兵藤大介さん:
妥当性があるか心配であれば、第三者に意見を求めるということが有効だと思いますし、喪主になられる方は亡くなられた方と非常に近い関係であることがほとんどだと思いますので、冷静にご判断いただけないことも多いと思います。まずは家族・親戚関係に相談すること。あとは、葬儀に関する相談がすぐにできないという方は、口コミサイトや、弊社のような第三者的なサービスをご利用いただくということも有効な手段だと思います。
また、家族や親戚に相談することで、葬儀の規模とか見送り方とか、意向の食い違いなど別のトラブルを防ぐことにもつながると思いますので、まずは第三者に相談するということを検討してみてください。
(めざまし8 11月20日放送)