「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家の男性を殺害した罪に問われている元妻の裁判員裁判で被告人質問が始まった。
この記事の画像(6枚)須藤早貴被告(28)は6年前、和歌山県田辺市で元夫で資産家の野崎幸助さん(当時77歳)に覚醒剤を摂取させて殺害した罪に問われ、初公判で無罪を主張した。
これまで異例ともいえる28人もの証人尋問が行われたが、殺害を示す直接的な証拠はなく、須藤被告本人の口から何が語られるのか注目されていた。
8日午前の被告人質問では、野崎さんと知り合った経緯や初対面でのやりとりについて弁護側が質問し、須藤被告は、「野崎さんから100万円を渡されて『結婚してください』と言われ、私は冗談だと思ったので『じゃあ毎月100万円くれるんだったらいいよ』と言いました」と答えた。
また、野崎さんと結婚したことを家族や友人に伝えなかったことについて須藤被告は、「月100万円もらう契約みたいな結婚で、愛し合う結婚とは違うのでわざわざ周りに言いふらすのは違う」と答えた。
被告人質問は8日を含めて3日間行われ、判決は12月12日に言い渡される。
■「お金を払ってくれる人だからラッキー、うまく付き合っていこうと思った」
和歌山地裁前から、取材を続けている樋口記者が報告する。
関西テレビ 樋口諒記者:午後の被告人質問は、午後1時半から再開しました。8日は51人の傍聴席に対し、99人の傍聴希望者が並び、須藤被告の発言への注目度の高さがうかがえました。
被告人質問は亡くなった野崎さんと須藤被告の出会い、そしてその後の結婚生活について、弁護士から時系列に沿って質問がされています。出会った当初の野崎さんの印象について、須藤被告は『お金を払ってくれる人だからラッキー、うまく付き合っていこうと思った』と話していました。
関西テレビ 樋口諒記者:また、須藤被告は結婚の条件として「田辺には住めない、性行為はしない、毎月100万円もらう」という3つの条件を野崎さんに出したということです。それに対し、野崎さんは『約束を守ります』と承諾したということです。
■須藤被告は野崎さんに対し「態度がコロコロ変わるコロちゃん。子どもだな」
8日の裁判の中で印象に残った言葉などはあったか?
関西テレビ 樋口諒記者:須藤被告は、結婚後も和歌山と東京を行き来する生活をしていて、野崎さんはそんな須藤被告に対して『アモーレ』や『北海道ナンバーワン』など、頻繁に電話やメールをしていたということです。一方で、会えない期間が長くなってくると、『自分らの関係は終わりだ』などと急に態度が変わったということです。
これに対して須藤被告は、『態度がコロコロ変わるコロちゃん。子どもだなと思った』と話していて、須藤被告ははっきりと自分の思ったことを話している印象でした。
裁判のポイントは?
関西テレビ 樋口諒記者:今回争点となっている、須藤被告の犯人性と事件性です。本当に殺人事件なのか、そして殺人事件だったとしても、須藤被告が犯人なのか、そういったところが争点になっていますので、被告人質問で須藤被告の口から何が語られるのか注目されています。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2024年11月8日放送)