高校球児憧れの舞台、夏の甲子園を目指す大会が宮城県でも7月9日から始まる。2024年は大会3連覇を目指した仙台育英を破り、聖和学園が初優勝。春夏通じて初めてとなる甲子園への切符を手にした。2025年の夏はどんなドラマが待っているのか。高校球児たちの熱い戦いがいよいよ始まる。
宮城県は62校55チームが参加
今年で107回目を迎える夏の高校野球甲子園大会。宮城県大会には3つの連合チームを含めて、62校55チームが出場する。6月26日、松島町で組み合わせを決める抽選会が開かれた。トーナメント表を順に見ていく。
【1】第1シードと開幕カード
第1シード、仙台育英は泉館山と角田の勝者と対戦する。2024年の大会では決勝で聖和学園に敗れ、3連覇を逃した仙台育英。佐々木義恭主将は抽選を終え、「夏の大会に向けて、新チームが結成してからずっとやってきた。これまでの大会は課題に向き合ってやってきたが、夏の大会はどんな内容でも最終的に1点差でも勝てるように目の前の相手に集中して一戦一戦丁寧に戦っていく」と今大会にかける思いを話した。
仙台育英は6月に開催された春季高校野球東北大会で優勝し、チームは勢いづいている。初戦の戦いぶりにも注目が集まる。また、開会式直後の試合、開幕カードは仙台東対小牛田農林に決まった。
【2】常連校・東北がシードに
隣のブロックには、シード校・東北高校が入る。宮城広瀬と仙台二高の勝者と対戦する予定だ。ダルビッシュ有など数々のプロ野球選手を輩出し、甲子園の常連校となってきた東北は2016年以来の夏の甲子園出場を目指す。
【3】仙台城南など初出場狙う
2023年の県大会決勝に進出し甲子園まであと一歩まで迫った仙台城南は富谷と東北学院の勝者と対戦。初の甲子園出場を狙う。
【4】「大量得点が強み」石巻工業
2024年秋と2025年春の県大会でベスト4に進出した第4シード・石巻工業が入る。初戦は気仙沼向洋と石巻西の勝者と対戦する予定だ。石巻工業の伊藤海斗主将は「1イニングに大量得点を取れることが自分たちの強み。一球一球に集中して、相手チームへの敬意をもってやっていきたい」と話した。
【5】実力伸ばす第3シード・東陵
春の宮城県大会でベスト4に入り、第3シードとなった東陵。37年ぶりの夏の甲子園出場を目指し、宮城工業と多賀城の勝者と初戦を戦う。
【6】利府や4校連合などに注目
2014年以来の夏の甲子園出場を目指すシード校・利府が入るブロック。黒川・古川黎明・迫桜・中新田の4校連合は高専名取と対戦予定。まずは初戦突破を目指す。
【7】実力校そろうブロック
春の大会でベスト8の石巻は、名取と仙台工業の連合チームと去年秋の県大会で3位となった東北学院榴ヶ岡の勝者と対戦する。実力校がそろうブロックになった。
【8】前回覇者・聖和は仙台商業とウェルネスの勝者と初戦
2024年夏、甲子園初出場を果たした第2シード・聖和学園は、仙台商業と日本ウェルネス宮城の勝者と対戦する。南三陸・宮城水産・涌谷・石巻北の4校連合は石巻好文館と対戦。初戦突破を目指す。
聖和学園の高橋歩汰主将は「2年連続で甲子園に出場することが目標。今まで支えてくれた方々に感謝をプレーで伝えられるように戦っていきたい」と力強く話した。
選手宣誓は仙台高校の山岸主将
大会は試合だけでなく、全球児を代表して行う選手宣誓も注目される。抽選の結果、仙台高校の主将・山岸大翔選手が務めることが決まった。山岸主将はカメラの前で「全ての高校生が全力プレーで、見ていただく方々に感謝を伝えられる大会にする」と決意を語ってくれた。
夏の高校野球宮城県大会は7月9日から始まり、14日間にわたって開催される。決勝は7月28日に楽天モバイルパーク宮城で行われる予定だ。そして、各都道府県の代表が出場する第107回全国高校野球選手権大会は8月5日～22日に開催される。今年も球児たちの全力プレーから目が離せない。
