衆院選の情勢や各候補者の戦いを伝える。10月22日は、10期目を目指す自民党のベテランを、野党候補2人が追いかける展開となっている山形県1区について伝える。

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山形県1区に立候補しているのは、立憲・新人の原田和広氏(51)、共産・新人の三井寺修氏(44)、自民・前職の遠藤利明氏(74)の3人となっている。

元県議 立憲・新人の原田和広氏

元山形県議で立憲・新人の原田和広氏は、3度目の衆院選挑戦。前回の衆院選で敗れてから、この3年間に重ねて来た街頭演説の数は800回を超える。

街頭演説で、原田氏は「よろしくお願いいたします」「自民党にはできない減税という経済対策。自民党は増税することはあっても減税することは絶対にありません。どうやったら増税できるかを常に考えている。増税続きのこんな自民党政権をこれからも認めるのか。それとも減税をする我々立憲民主党を選ぶのか。政権交代によってみなさんの未来が変わります」と訴えた。

所得格差の是正を目指す総合課税制度を導入し、庶民の生活を底上げすることや、大学までの教育の完全無償化を訴えている。

原田氏は立憲・国民・連合山形の2党1団体が擁立した候補だ。

県議のころから吉村県政を支えてくれた恩返しにと、吉村美栄子知事も今回、最初に原田氏のところに駆けつけ、「県議会でしっかりと県政を応援していただいた原田和広さん。恩返しをしなければと思って参りました。きょうはスーパームーンでまん丸い大きなお月さま、丸になるようにみなさんで頑張っていただきたい」と応援の言葉を述べた。

「自分は堅苦しいイメージを持たれやすい」と話す原田氏。そのイメージを払拭しようと、選挙カーには家族から「似ている」と言われるカピバラのぬいぐるみを乗せて一緒に戦うなど、親しみやすさをアピールしている。

原田氏は「800回と言ってもある程度場所は固定されている、もしかしたら同じ人が何回も聞いていたかもしれません。今回はなるべくやったことがないような場所を選んで、わたしの声を聞いたことがない人に聞いてもらって、『原田和広信じられるんじゃないか』と投票につながってほしい」と意気込みを語った。

初の選挙戦 共産・新人の三井寺修氏

共産党の三井寺修氏は、自民党の裏金問題の糾明と政治の信頼を取り戻す必要性を訴える。
さらに消費税の5%への減税・1日あたりの労働時間7時間への短縮など、生活者に寄り添った政策にも力を入れる。

街頭演説で、三井寺氏は「石破自公政権による表紙を変えるだけではなく、その中身も変えていく必要がある。総裁選時に語った予算委員会を開いての審議を行わず疑惑隠し・争点隠し、これこそまさに党利党略の解散、とても許せるものではありません」と述べた。

人生で初めての選挙戦、まだまだ知名度が足りないと話す三井寺氏は、繰り返し街頭に立つのはもちろん、SNSも活用し、若い世代にも自らの訴えを届けようとしている。

三井寺氏は「労働時間は1日7時間・週35時間を目指します。非正規雇用を正規雇用へ。そして8時間労働さえ崩されている現状を改善するために、残業規制の強化・サービス残業の温床となっている違法脱法の長時間労働の是正に取り組んでいく」と訴えた。

9月22日には、共産党の小池晃書記局長も応援に入るなど、名前が知られた議員の力も活用し、有権者に少しでも訴えを届けようと懸命だ。
44歳という年齢は1区の候補者の中では最年少、自信があるという「若さと体力」を武器に人生初の選挙戦を戦い抜く。

三井寺氏は「初めての選挙、名前と知名度がまだまだ届いていない。主に街頭演説を中心に、有権者の顔を見て対話して名前を売っていきたい」と意気込みを語った。

自民党3役も経験 前職の遠藤利明氏

自民党・前職の遠藤利明氏。公示日は山形県外で公務があったため、10月16日に改めて第一声をあげ、遠藤氏は「あらためて“ガムシャラ”に、(初当選した)1993年の選挙を思い出して頑張っていきたい」と述べた。

今回は、自民党にとって政治とカネの問題が逆風となっている。
遠藤氏は、直接関係はないが、「『政治とカネ』、本当にみなさんに不信を与えご迷惑をおかけしました。何よりも大事なことは『政治にかかるお金』。この『入りと出』をしっかりとする。透明にして国民のみなさんに理解をしてもらえると、そんな形にしなければならない」と、自民党の一員として有権者へのお詫びから始めた。

自民党3役の経験もあり、全国の議員から応援を依頼されている遠藤氏。
しかし、野党候補の追い上げを受け、急きょ、地元を回る機会を増やしたという。

遠藤氏は、命と暮らしを守るための水害などへの対策と、気候変動に強い持続可能な農業の必要性を訴えている。そして今回は、吉村知事が7月の豪雨災害時の対応への感謝として、初めて遠藤氏の選挙事務所を訪れた。

吉村知事は「しっかりと遠藤先生には、これからも着々と政権中枢の大物政治家として、山形県の未来のためにますますお力添えをいただきたいと思っているところです」と述べた。

遠藤氏は「まずは山形を元気にしたい。そのためにもインフラ整備、鉄道・新幹線・飛行場・大学の整備もそう、インフラ整備をしっかりやって『山形いいところだよ』と言えるような街をつくっていきたい」と意気込みを語った。

(さくらんぼテレビ)

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