2日午前2時ごろ、埼玉・所沢市の高齢夫婦が住む家に複数人の男が押し入り、夫婦を粘着テープで拘束。85歳の夫の腕を刃物で切りつけ、現金約8万円を奪って逃走しました。
「めざまし8」が現場周辺を取材すると、事件現場からほど近い畑に、人のものとみられる“足跡”が残っていました。犯人のものなのでしょうか？
足跡をたどった先にある防犯カメラの映像を見てみると、カメラは不審な男の姿を捉えていました。
事件があった日の午前2時20分ごろ、現場付近をパトカーと、警察官が乗ったバイク3台が走りすぎます。
その約1分後、警察車両が向かった方角から1人の男が走ってきました。
ライトを手にした警察官が、男の後を追います。
その先にある別のカメラにも、帽子をかぶった男が走って逃げる様子と、追いかける警察官の姿が映っていました。男は、現場から逃走した犯人グループの1人と見られます。
この事件で警察は、強盗傷害の疑いなどで男ら3人を逮捕。1人は現在も逃走中です。
捜査関係者によると、逮捕された3人は「秘匿性の高い通信アプリで連絡をとっていた」と、供述しているということです。
強盗事件相次ぐ…現場周辺から見えてきた“共通点”
ここ最近、東京・埼玉を中心に相次いでいるという強盗事件。
さいたま市西区では、9月18日高齢の女性2人が縛られ現金などを奪われる事件が発生。
9月28日には東京・練馬区の住宅で50代の父親と20代の息子が複数の男らに襲われ、金品を奪われ、その2日後の30日には東京・国分寺市の住宅で、1人暮らしの60代女性がハンマーで殴られる事件が発生しています。何か関連はあるのでしょうか？
元埼玉県警捜査一課警部補の佐々木成三氏は、所沢市の犯行現場を見て、手口の“未熟さ”を指摘します。
元埼玉県警捜査一課 佐々木成三氏：
この住宅を見ると、侵入箇所は勝手口しかない。ただ、勝手口ってここ（正面）から見ると、もう丸見えなんですよ。かなり入るのもリスクがある。
しかも、ガラスを見ると強化ガラスになっていますので、簡単には割れないんですよね。
何度か殴打しているのと、こじ開けているような状況も見られますので、かなり時間を要しているなということが分かるんです。
犯行の様子が周囲から丸見えな上に、割ると大きな音がする強化ガラスを破壊して侵入したことから、“下見をしていない可能性”があると佐々木氏は指摘します。
また、犯行グループの車が残されていた場所が、現場から約1km離れたコンビニの駐車場だったことにも着目。
元埼玉県警捜査一課 佐々木成三氏：
犯行前に止めたとしても、ここから現場まで1km以上あるということは、10分以上歩かなければいけませんし、（止めたのが）犯行後だとしても、何かしらここに遺留しなければいけない理由があったということだと思いますが、かなり気が動転していますし、犯行には手慣れてないなという感じはします。
さらに今回の事件で見つかった犯行に使用したとみられる車が、「福岡の筑豊ナンバー」だったことから、佐々木氏は犯行グループが、匿名・流動型の犯罪組織“トクリュウ”の可能性が非常に高いと指摘します。
元埼玉県警捜査一課 佐々木成三氏：
容疑者はSNSなどで集められ、初めて顔を合わせる。これが、同じ地域ではなくて、色々な地域から集まってくるというところも、昨年発生した広域強盗事件、闇バイトに絡んだ強盗事件の手口と似ていますよね。
主体性が彼らにないというか、犯罪がばれないように、捕まらないように、証拠品を残さないようにという思考はない感じがします。
さらに、現場取材を通じて見えてきたのが、“仲間意識の希薄さ”です。
所沢の事件では、畑の方向に逃げた男がいる一方で、現場のすぐ近くで現行犯逮捕された男がいます。
――一緒の方向に逃げていないのは？
元埼玉県警捜査一課警部補 佐々木成三氏：
とにかく“自分だけが逃げる”ということだけを考えていたと。トクリュウということは間違いないと思いますので、関係性の希薄さがあると思いますね。
実際に、9月に起きた練馬の事件でも、現場近くで1人の男が取り押さえられる中、別の男は助ける様子も見せず、その脇を素通りし逃走しています。
練馬の事件で逮捕された男の1人が、「闇バイトに応募した」と供述しており、警察は、国分寺や所沢の事件に関しても、「闇バイト」で集まったグループの犯行とみて、捜査しています。
(「めざまし8」10月2日放送より)
