9月20日はバスの日。121年前、1903年の日本で初めてバスが走ったことにちなんで付けられた。通勤や通学、そして高齢者の生活の足として欠かせない路線バス。このバスが今、大きな曲がり角を迎えている。
「遊びに来られない」利用者困惑 大分バス・大分交通ともに10月からのダイヤ改正

「もうバス専門。買い物に来るのが楽しみ。あまり減らしてもらったら遊びに来られない」「本数がものすごく減った。1時間1本くらいしかない時もある。それが1番困る」困惑した様子で話すのは、バスの利用者たちである。
大分バスは先日、10月からのダイヤ改正を発表。ほとんどの路線で昼間の時間帯を中心に減便となる。
大分交通もすでに10月から、減便や路線の休止を含むダイヤ改正を決めている。
大分バスは、今回のダイヤ改正で 年間11.6%の大幅な減便を実施。
大分交通は、2024年4月に23%、10月からはさらに8.2%の減便となる。
バスのルートを変更し、休止になった路線の一部区間をカバー

そして減便だけでなく休止する路線も…。大分交通は10月から4つの路線の休止を決めていて、このうち大分駅や国東市を結ぶ「国大線」など2つの路線が日出町を走っている。
住民には親しまれてきたが、この2つの路線は赤字が続いていたという。
このため、日出町は10月以降コミュニティバスのルートを一部変更することで、休止になった路線の一部区間をカバーすることにしている。
30年ぶりの運賃改定も

そして変化は運賃にも。
大分バスは2024年3月に、大分交通は10月から、初乗り運賃を150円から180円に値上げ。
いずれも消費税引き上げでの値上げを除けば、30年ぶりの運賃改定だという。
バスの利用者からは「都町のほうに飲みに行く時にバスを使って移動する。1番不便になりそうなのは値上げかな」といった声が聞かれた。
背景には慢性的な運転手不足や労働環境の改善
路線バスの減便や値上げの背景について詳しく見ていく。
大分交通や大分バスが主な理由に挙げるのは、慢性的な運転手不足や労働環境の改善である。
長時間労働が見直され勤務終了から次の勤務開始までの休息時間を、以前よりも長く確保することが必要となった。大分バスが、夜の減便や最終便の繰り上げを決めた背景には、朝のラッシュ時に運転手を確保するためでもある。

一方でバス会社も対策を進めている。
バスの運転体験会を開催したり、免許取得にかかる費用を負担したりするなど、新たな運転手の確保を目指している。
生活に欠かせない公共交通機関をどのように維持していくのか。改めて考えていく必要がありそうだ。
(テレビ大分)