ノートに濃い色の飲み物をこぼして、シミがついてしまった経験はないだろうか。まっさらな紙が汚れてしまうと、ちょっぴり落ち込むかもしれない。

しかし、そんな状況も楽しめそうなアイデアがX(旧Twitter)で話題になっている。

シミがついたらペンを用意!

ノートを作る大栗紙工株式会社(@OGUNO_notebook)のX担当者が投稿したのは、「コーヒーのシミを古い地図風にする」方法。

用意するものは「コーヒーのシミがついちゃった紙」のほかに、「細いペン(茶系がおすすめ)」だけだ。そして、どのように“古い地図風”にしていくかというと…。

ペンで描き足していく
ペンで描き足していく
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(1)まず、ペンでシミの周囲をなぞります。
(2)次に、シミの周囲に水平に毛を生やします。
(3)怪物などを配置したい場所に波を描きます

怪物が登場
怪物が登場

これだけでも、コーヒーのシミがいつの間にか“島”っぽく見える。さらに島の周囲を、海に見えるように描き足していく。

(4)波線の上にウネッと…
(5)吸盤つけて
(6)メジェドさま風の目を入れて、点描で装飾して完成。可愛い。
(7)次は船を浮かべたいところに波線を描きます

船すごい
船すごい

(8)船体はこんな感じで…
(9)マストが3本あるつもりで帆や旗を描き
(10)大ダコに見守られながら線入れたり網や窓を描いて完成。
(11)右下に、丸と十字を描いて…

冒険に出発!
冒険に出発!

この段階でもかなり、“古い地図”となった。そして、最後に羅針盤などのアイテムも描き加えたら完成だ。

(12)それをこうして
(13)こうやって羅針盤にします
(14)全体に波を散らします。怪物や船の周り、岬のあたり多めにするのがコツ。仕上げに、船の周りにカモメを飛ばして完成!

さらっと描かれているが、地図の周りの怪物や船体、羅針盤は、落書きと言うには恐れ多いクオリティだ。

センスを感じるアイデアにユーザーからは「こんな画力はないんですが、やってみたい!」「これはコーヒーこぼしたくなる(違)」「なんだか、新大陸を見つけた気分です」などのコメントが寄せられ、4万6000件を超える「いいね」がついている(9月30日現在)。

シミも思い出の一部として

ちなみに落書きは、描いてもすぐに捨ててしまうのだそう。なんだかもったいない気もするが、普段からよく落書きをしているのだろうか?またなぜ、今回このような投稿をしようと思ったのだろうか? Xの担当者に聞いてみた。

宝箱も追加
宝箱も追加

――なぜ投稿しようと思ったの?

ノートや手帳にシミがついた時、ガッカリしたり破棄してしまうよりも、そのシミも思い出の一部として長くノートを使っていただきたいので「シミがついた→地図にしよう」と思う方が増えればいいなと、描き方の解説をポストしました。

以前「コーヒーをこぼした時はどうすれば?」というおたずねがあり、回答として「漂白剤で洗う方法」を投稿いたしました。

しかし、漂白剤で洗う方法は手間がかかり、水性ペンの字が消えるリスクやノートの紙を傷めて書き心地を損なう恐れがあります。

そこで、いっそのことシミをそのまま楽しむ提案を2023年9月に投稿しましたところ、1年たった今もいいねをポツポツいただいています。そのメイキングをご紹介しようと思いました。

派手にこぼしたコーヒーのシミもこの通り!
派手にこぼしたコーヒーのシミもこの通り!

――シミに地図を描くアイデアが浮かんだきっかけは?

子どもの頃から、絵具などで偶然できた形を地図にして遊んでいました。

詳細は覚えていませんが、両親ともお絵かきや紙工作が得意な人だったので、最初のきっかけは父親か母親ではないかと思います。

「なんか和風っぽい竹」を5分で
「なんか和風っぽい竹」を5分で

――このような落書きは普段からよくしているの?

大人になってからは、あまりやらなくなりました。学生時代の教科書やノートは、落書きやパラパラ漫画でいっぱいでした。

輪ジミは消印に
輪ジミは消印に

――普段からよくコーヒーをこぼしてしまう?

派手にノートにこぼしたことは一度ですが、書類の輪ジミはたまに…。

コーヒーよりも、ミートソースやラーメンの汁がはねたシミを作ることが多いです。拭きとったあと、つい何か描き加えてしまいます。

防災バッグにノートを入れると…

――ちなみに「シミを漂白剤で消す方法」はどのようなもの?

塩素系漂白剤でシミ抜きをしたあと、水で洗剤を落として乾かします。漂白剤を原液のまま使うと行罫線の印刷も消えるので、薄めて使用します。

乾かす際は、濡れたページの前後にコピー用紙など新しい紙をはさんで重しをして乾燥させます。

シミの濃さや経過時間、ノートの紙質などによるところも大きく、誰でも簡単に消せる、とは申し上げられません。

骨折の固定にも
骨折の固定にも

――他にもマネできそうなノートの活用術はある?

ノートの天(立てて置いたときに上に見える紙の切り口部分)に色をつけるのは、誰でもマネできるライフハックです。ランドセルや学校の机の中は、表紙が見える状態になっていないので、色をつけておくだけで取り出しのストレスが減り、忘れ物防止にもなります。

また、防災バッグにノートを1冊入れておくと様々な用途に使えます。紙の束であるノートは意外としっかりしているので、骨折の固定にも流用可能です。

――投稿の反響をどう思う?

何度かバズというものを経験していますが、いまだに慣れません。通知がたくさんくるとドキドキします。

しかし開いてみると好意的な言葉ばかりで、皆さんの優しさにホッとすると同時に、とてもありがたく思います。

投稿から固定ポストを見て、発達障害の方の書字負担軽減を目的に開発した弊社のまほらノートや学習帳を知ったという方もいらして、必要とする方にお届けできるきっかけを作れたことがうれしいです。

シミも思い出の一部として、ノートを長く使うためのアイデア。紙にうっかりシミをつけてしまったら、ペンを取ってぜひ地図の作成にチャレンジしてみてほしい。

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。