2023年夏、猛暑により深刻な水不足となった新潟県内。新潟市北区の川沿いでは、川に海水が逆流したことによる塩害が発生し、土壌からは7倍の塩分が検出された。塩害から1年…2024年のコメの出来に影響は出なかったのか、現場を取材した。
高温少雨の影響で…田んぼに“海水”流れ込む
9月24日に新潟市北区のほ場で行われたコメの検査。新潟大学の三ツ井敏明特任教授は「ほとんど問題ないような感じに育っている」と話した。

2024年は黄金色に輝いている田んぼだが、2023年は一面茶色く、収穫前とは思えない光景が広がっていた。
当時、コメ農家の五十嵐作雄さんは「(他の農家と)“水がなんか変だな”と言ってなめたら、ものすごくしょっぱかった」と話していた。

2023年は、夏の高温少雨により、阿賀野川の流量が下がり、海水が逆流。農業用水に海水が混ざったことで稲が枯れてしまったのだ。
今年は無事収穫!土壌の塩分濃度も問題なし
土壌の塩分濃度に不安が残る中、2024年5月、三ツ井特任教授は塩害にも強いとされる品種の苗を植えることに。

そして9月24日、稲の状況を確認した三ツ井特任教授は、「実のつき方も中の種もしっかりとできている」と話した。
2024年は気温が上がりすぎず、雨量が十分確保できたことで粒の大きさや色づきに問題なく稲が実った。

また、不安が残っていた土壌の塩分濃度は、場所によって高いところはあるものの、2023年より濃度は低下し、稲の生育には問題ない数値に戻ったという。

気になるのはコメに含まれる塩分濃度だが、三ツ井特任教授は「測定してみないと分からないが、それほどではないのかなと思っている。稲は正直なので、しっかりとこれくらいの塩分濃度なら全然問題ないと言ってくれているような気がする」と話した。
塩害による大きな被害を受けた田んぼが以前の光景を取り戻しつつある。
(NST新潟総合テレビ)
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