自民党総裁選があす9月27日に迫っている。「BSフジLIVEプライムニュース」では25日、全候補者9人をスタジオに迎え、重要なテーマについて徹底討論した。
首相、さらに天皇陛下の靖国神社参拝をどう考えるか
竹俣紅キャスター:
内閣総理大臣による靖国神社参拝について。高市さんは9月9日の番組出演時、「国策に殉じられた方に感謝の思いを捧げることは総理になっても変わらない。個人の心の問題で他国からとやかく言われる問題ではない。ただ、同盟国からも文句を言われるとやっかいな話なのでしっかりと説明する。その上で参拝できる環境を作る」と言及。記帳は「内閣総理大臣 高市早苗」かという質問に「そうだ」と答えた。
高市早苗 経済安保相:
靖国神社は戦争を美化する施設ではなく、100年以上も国のために命を捧げてきた方々をお祭りしている。尊崇の念でお参りに行くことはずっと大事にしたい。そもそも外交問題にされるべきことではない。世界中にある追悼施設をいい・悪い、裁き合うとか検証しようということ自体が変。また政治問題化すること、日程について聞かれることも御霊に対して失礼では。
もちろん他国から問題になると指摘された場合は、きっちりと説明をさせていただく。私は適切な時期に普段通り淡々とお参りしたい。
加藤勝信 元官房長官:
肩書きは私人として書く。これまでそうやってきた歴史もあり、その延長線上で考えたい。思いは高市さんとかなり近いが、国益を確保する意味でタイミングや説明は大事。環境作りには政府ができることと靖国神社自身が判断する部分がある。政府としては他国とのやり取りで理解を深めてもらうこと。
反町理キャスター:
現職外相の上川さん、また外相経験者の皆さん、様々な国との関係に影響を与えかねない事案ではないかという声もあるが。
上川陽子 外相:
お参りが政治的な文脈の中で語られる、これまでの状況は避けなければいけない。その意味で、外相としても総理としても千鳥ヶ淵戦没者墓苑にお参りに行くという形が、戦没者の御霊に心からの感謝を、そして平和への祈りを捧げることだと思っている。
茂木敏充 自民党幹事長:
我が国のため命を落とされた方への尊崇の念は誰もが持っており、その気持ちを表すのは当然のこと。その上で、どのタイミングでどこにどういう形で行くかは、そのときの総理大臣の判断。そこには外交的な要素もある。心配がないわけではないが、相手国との意見の相違を埋めていくのが外交。
林芳正 官房長官:
適切に判断をしなければいけない問題。外交上、いろんなことが今までも起こっていた。中曽根総理の時代に分祀なども検討されたが合意に至らなかった。そうした歴史も踏まえ、総理が令和の今における状況を判断する必要がある。
河野太郎 デジタル相:
神社への参拝は個人の心の問題で、それが総理の場合、国益と自分の心の問題との兼ね合いとなる。現時点で私は総理として参拝をすることはない。ただ、今は天皇陛下も参拝をされない。非常に不幸なこと。政治的な問題を解きほぐし、天皇陛下が参拝され、総理も外国から来られた方も行ける状況を作るのが一番大事。
竹俣紅キャスター:
石破さん、小林さん、小泉さんは。
石破茂 自民党元幹事長:
河野さんがおっしゃったが、天皇陛下にご親拝いただけないのは大変なこと。靖国神社ができたときの兵隊さんやご家族への約束は、どんな方でも神様として祭ること、そして必ず天皇陛下に祭祀を執り行っていただくこと。陛下にお出ましいただける環境を作る。自分が行くとか行かないとかではなく、その約束をきちんと果たすのが総理の仕事。
小林鷹之 前経済安保相:
私の祖父は父が3歳の時に中国で戦病死しており、私自身も戦没者遺族。幼少の頃から父の靖国神社参拝について行っており、思い入れのある場所。基本的には内心の問題だと思っており、総理として最大限そういう環境整備はやるべきだが、対応は国際情勢を見ながら適切に判断する。
小泉進次郎 元環境相:
私も今まで15年間、8月15日の参拝を続けてきた。河野さん、石破さんの、いかに天皇陛下にお参りいただける環境整備をするかというお話は、先人の皆さんがご苦労されてきたこと。その中で今がある。そこで総理がどうするかというとき、小林さんが言われたように適切な判断が必要なことだろうと思う。
国民が納得していない“政治とカネ”決着への道筋は
竹俣紅キャスター:
立憲民主党の新代表に選出された野田佳彦氏は就任後の会見で、次の総選挙では自民党の政治とカネの問題を前面に押し出して戦う姿勢を示した。視聴者の方からもこの問題への対応を問うメールが来ている。まず小林さんはどう受け止めるか。
小林鷹之 前経済安保相:
処分は厳格に運用すべき。新たな事実が出ない限りは一度決めたことをそのまま運用する。それを変えれば党のガバナンス上の問題が出る。そして、問題のあった議員を公認するかどうかはまた別問題。その選挙区でその議員が勝てるかどうか、つまり国民から信頼をしっかりと得られるかという視点も含め、総合的に厳正に見ていく。
反町理キャスター:
河野さんは返納について言及した。
河野太郎 デジタル相:
捜査当局として法律的には書類を訂正して終わりという話かもしれないが、世の中からすれば不記載がバレたら書類の訂正で終わりというわけにはいかない。国庫に返納してけじめにするというのが、国民と向かい合う上であるべき姿ではないか。
茂木敏充 自民党幹事長:
これだけ多くの議員に不記載があったことは深刻に受け止めなくてはいけない。結果責任を果たしていく。
上川陽子 外相:
国民の皆さんの意識と永田町の論理の間にギャップがあり、なかなか埋まっていないと感じる。一人ひとりの議員が選ばれている側として高い倫理観を持ち、透明性と説明責任、客観的な第三者機関によるチェックを徹底していくべき。
反町理キャスター:
FNN世論調査では「説明責任を果たせば公認してよい」が39.9%で、51.6%は「すべきでない」。またこの問題について約7割の人たちが納得していない。どう決着すべきか。
小泉進次郎 元環境相:
一つは、国民の皆さんへの説明責任を果たしているか。もう一つは再発防止に取り組んでいるか。その上で地元、地方組織などの皆さんに声を聞き、最終的には新たな執行部が厳正に判断すること。例えば私が総理総裁になれば、お金の流れが不透明だと言われた政策活動費をやめ、旧文通費は使途を明確化して残金は国庫に返納する。その上で政策パッケージを示し国民の皆さんにご判断をいただきたい。
石破茂 自民党元幹事長:
国民が納得していないのは間違いない事実。各議員が説明責任を果たせばいいという問題ではなく、公認に限って言えば公認権者は総裁。選挙区での支持を基礎に、選対委員会が公認すべきかどうかを出してくる。そこで公認権者たる総裁がきちんと自分で聞いて説明すること。
高市早苗 経済安保相:
不記載のあった人も、それぞれ事情が本当に違う。十分に地元で説明責任を果たしており、理解を得ていて勝てるという状況なら公認する。そうでない方には別の方を立てざるを得ない。そして再発防止策を打ち出すこと。政策活動費は廃止し、お金の流れから属人性をなくしていく。誰かが勝手に使い道を決めるのではなく、ちゃんとプロに見てもらい、使途の公平性や公正性をちゃんと後でチェックしてオープンにする。これをきちっと打ち立てた上で皆様の信を問う。
総理になったら解散総選挙はいつ行う?
竹俣紅キャスター:
立憲民主党の野田新代表は解散総選挙について「復旧・復興のための補正予算を成立させることが最低限の政治の責任だ。それをしてから信を問うなら受けて立つ」と言及。衆院解散前に予算委員会を開き補正予算を編成すべきとの認識を示した。
小泉進次郎 元環境相:
まず被災中の能登半島に対し、必要な国の事業がスピード感をもって届くようにする。そのために補正予算だけではなく予備費がある。
反町理キャスター:
「できるだけ早期に解散」という小泉さんの思いはまだ変わらず?
小泉進次郎 元環境相:
間違いなく。政治とカネの問題についても、国民の皆さんに審判を仰いでいない。新しい政権ができたら、政策のパッケージも含め国民の皆さんの信頼の礎の下でスタートさせたい。
反町理キャスター:
石破さんは、解散総選挙のタイミングについては。
石破茂 自民党元幹事長:
総理になってもいない人間がそんなことを語ってはいけない。やはり主権者たる大勢の方が判断できるだけの材料は出さねばならないが、同時に新政権なのだからなるべく早期に信を問うのも当然のこと。この2つをどうやって両方とも満たすか。与党の都合で解散するのかもしれないが、どういう議論をするかは野党あっての話。国対を中心として新しい体制で話し両立させるのが、新政権が取り組むべきこと。
反町理キャスター:
高市さんはどう見ているか。
高市早苗 経済安保相:
総理の専権事項についてテレビでベラベラしゃべることは決していたしません。ただ急がなきゃいけないのは、二重災害となっている能登に予備費を使って安心していただくこと。そして新しい政権が何をしようとしているか説明して信を問うこと。政治資金の問題も含めてだが、経済成長や地方の活性化、いろんなことを訴えていかなきゃいけない。新政権が何をやろうとしているのか皆様にお知らせして、信を問うて、しっかりと腰を据えて、その上で補正予算を組んでいかなきゃいけない。
反町理キャスター:
補正予算を組んだ後の解散? その前ですよね?
高市早苗 経済安保相:
日程は言いませんが。
(「BSフジLIVEプライムニュース」9月25日放送)