NTTコミュニケーションズは、電話で思い出話をすることで生成AIが脳の認知機能をチェックする「おもいでダイヤル」のサービスを開始した。AIが日付や思い出の会話内容、声のトーンから脳の状態を判定するという。

「体重計に乗るのと同じくらい簡単に」電話で脳の健康チェック

9月21日の「世界アルツハイマーデー」を前に、NTTコミュニケーションズは、電話で思い出を話すことで、生成AIが脳の認知機能をチェックするサービスを始めた。

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この電話サービスは、今日の日付と生年月日に加え、懐かしいテレビ番組や音楽などの思い出話をすることで、生成AIが会話の内容や声のトーンなどから認知機能の状態をチェックするものだ。

NTTコミュニケーションズ スマートヘルスケア推進室・横山彰之主査は、「脳の健康をチェックするという行為を、皆さん体重計に乗っていただくのと同じぐらい簡単に、誰でもが毎日チェックできるような環境を実現したい」とコメントした。

「脳の健康に変化」会話から2段階で状態を判断

ここからは、フジテレビ・遠藤玲子キャスターが解説する。

遠藤玲子キャスター:
電話一本で、生成AIが手軽に「脳の認知機能」をチェックしてくれます。

認知機能チェックの流れ
認知機能チェックの流れ

SPキャスターパックン:
体重計に乗るぐらい手軽というのは、画期的ですね。

遠藤キャスター:
この「おもいでダイヤル」が、どのような流れで認知機能を判断していくかというと、まず今日の日付や年齢などの質問に回答します。その後、AIが昭和時代の懐かしい記事を読み上げ、それを元にAIが質問してきます。

「あなたの思い出について聞かせてください」「当時は…」など、何往復か会話をしていくうちに、最終的にAIが脳の状態を「元気な状態です」、または「脳の健康に変化が見られます」というように、2段階で状態を教えてくれるという流れです。

所要時間としては、全体で約6分かかるものです。実際に私も電話してみました。

おもいでダイヤルを体験する遠藤キャスター
おもいでダイヤルを体験する遠藤キャスター

AI:
昭和40年代、一般家庭にも次々と電話が引かれました。電話にまつわる思い出を聞かせてください。

遠藤キャスター:
姉の彼氏からから家に電話がかかってくると、父よりも早く電話に出ないといけなかったので、私が代わりに電話番をしていました。とにかく電話がちょっとでも鳴った瞬間に出る。それが私の使命でした。

AI:
急いで出た時のドキドキやわくわく感がよく伝わります。

青井実キャスター:
会話が結構自然ですね。

AIが約1000項目をチェック

遠藤キャスター:
会話がとても自然でしたし、詳しく聞いていくうちに、自分の中でもいろいろ思い出がよみがえってくるので喋りやすいです。チェックの結果、次のように判断されます。

AI:
脳の健康チェックの結果、元気な脳の状態です。

遠藤キャスター:
AIは、どのように脳の認知機能を判断しているかというと、話し方、回答内容、声のトーン、さらに認知機能の低下による特有のゆらぎなど、人間の耳で検知不能な約1000項目をチェックして生成AIが判断してくれます。

最初に今日の日付など聞かれた時にわざと間違えて答えたりしても、それだけで「認知機能の低下」などと判断される事はありません。

なぜ今回「思い出話」に注目したのかというと、脳の健康度をチェックできるだけでなく過去の記憶を呼び起こす事で、脳の活性化も図れるということです。

青井キャスター:
親などに病院へ行くように促すのが難しくても、電話一本だからと勧めやすいですよね。

SPキャスターパックン:
月1でも電話することで、変化が見られたら専門家に診てもらう。脳の健康維持には貢献できるチェックの機能になりますね。      

遠藤キャスター:
あくまで、現在利用できるのはデモ段階で、最終的にはより詳細な結果を出すよう改良を検討しています。ゆくゆくは自治体や企業と連携を組みチェック結果に応じて、「認知症予防イベント」や「脳ドック」に促して行くことを目指しているという事です。

「おもいでダイヤル」(0120ー468354 知るは最高の予防)
(「イット!」 9月19日放送より)

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