夏の暑い時期から活動が活発になるスズメバチ。垣根など身近な場所にいつの間にか巣ができていることもあり、注意が必要だ。約30年にわたりハチの巣の駆除活動を行ってきた“スズメバチハンター”に密着した。

駆除件数は年間約40件 最も巣が大きくなるのは10月ごろ

鹿児島市郊外・本名町にある「スズメバチハンターのむら」の代表・野村功策さんは、約30年にわたりハチの巣の駆除活動を行っていて、年間約40件の巣を駆除している。

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この日は、園庭にハチの巣ができているという鹿児島市内の幼稚園から依頼があった。園児たちの遊び場のすぐそばに、小さなハチの巣が確認できた。コガタスズメバチの巣だ。

直径約8センチと小さく、それほど影響ないのでは?と思ってしまうが、「1匹で何十カ所も刺すことができるのが怖い。巣が小さいから安全だろうというのは間違い」と、野村代表は警告する。

10月ごろに最も大きくなるというハチの巣。8~9月はまだサイズが小さいことも多く、気づかずに近づいてしまうこともあるという。

野村代表によると「今はこぶし大だが、ビーチバレーボールくらいの大きさになると、ハチの出入りがかなり多くなり、すぐ巣があると気づく。このくらいの巣は気がつかない」とのことで、早めの駆除が重要になる。

防護服に着替えて速やかに除去

いよいよ除去作業だ。取材陣も防護服に着替える。ズボンをはき、上着を着て、手袋をはめる。

ズボンの裾は長靴の中に入れこみ、手袋も手首を固定することでハチが体に入らないよう、隙間をなくしていく。防護服は意外に軽く感じたが、やはり暑さはかなりのものだ。

いよいよハチの巣の除去作業スタート。まず巣の入り口に殺虫剤を入れ、ハチを弱らせてから巣の周りの枝などを切り、取り外しにかかる。

野村代表によって取り除かれたコガタスズメバチの巣
野村代表によって取り除かれたコガタスズメバチの巣

「これで駆除完了です」
小さいこともあり作業はわずか数十秒で終わったが、巣から出てきたハチが近くを飛び回っていたようで、記者も思わず声を上げてしまった。

ハチ被害のリスク高まる時期に突入 注意点は?

今回は特別に駆除した巣の中を見せてもらった。

「これが女王バチ。(針が刺さると)激痛です。夜も寝ることができないくらい痛い。治るまで1週間くらいかな」と、野村代表は話す。

今後、巣が大きくなりスズメバチのリスクが高まる時期に入る。どんなことに気をつけるべきか?野村代表は、「一番多いのは垣根です。家でいえば軒下、あるいは屋根裏。そういうところには巣を作りやすい。見つけた場合はまず自分で駆除しないで、駆除できる人にお願いするのが一番安心」と教えてくれた。

今回はプロの素早い仕事で子供たちも安心して遊べるようになったが、これから10月ごろまで、思わぬ場所でハチの巣を発見する可能性が高まる時期となる。もし皆さんの近くでハチの巣を見つけた場合は、決して近づかず、一刻も早くプロに連絡し、駆除をお願いすることが必要だ。

(鹿児島テレビ)

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