7月の大雨で警察官2人が亡くなった山形・新庄市の現場について、山形大学の研究ユニットが現地の分析結果を学会で報告した。当時、パトカーなどが通った道路は「水深が数十センチ~1メートルほど」あったとみている。
「地形的に低く水が集まった」
山形大学災害環境科学研究ユニットは、7月の大雨の直後から庄内・最上の被災地を調査していて、9月9日に小白川キャンパスで開かれた学会の中で、その分析を報告した。
この記事の画像(6枚)調査地域の1つ・新庄市本合海では、堤防が決壊して新田川がはん濫し、救助要請を受けて向かったパトカーなどが流され、警察官2人が亡くなった。
研究ユニットの報告で、パトカーを含む車4台が流された道路の箇所は「地形的に低くなっていて、そこに水が集まった」と分析した。
山形大学災害環境科学研究ユニット・本山功理学部教授:
非常に強い雨が降り続けていたので、降った雨自体がそこ(田んぼ)にたまり続けた状況。さらに決壊した川の水が加わって大きな水流に発展した。
「かなり急激に車を襲った可能性があると考えられる」と本山教授はいう。
決壊リスク…普段からの調査が必要
では、当時、道路にはどれほどの水が押し寄せたのだろうか。
本山教授によれば、道路沿いの並木の付着物の高さから、水深は「約数十センチ~1メートル」の範囲とみている。車が完全に埋まってしまうような何メートルもの水深は、この状況からは考えられないという。
本山教授は「本合海のような、川沿いの低地に田んぼがあり道路が横切る場所は県内にはたくさんある。決壊のおそれがないか普段から調査すること。そして、今回の事案の検証が重要」と指摘していた。
(さくらんぼテレビ)