秋田・大仙市のふるさと納税のある返礼品が話題になっている。それは老舗子ども服ブランドが手がける商品だ。大仙市とブランドとの関係は？人気の理由は？老舗の技術に“秋田らしさ”が加わった注目の返礼品を取材した。
老舗ブランドの“返礼限定品”
ふるさと納税は、ゆかりがある市町村などに寄付をする制度で、寄付をすると寄付額の3割以内の価値がある「返礼品」をもらえるほか、住民税や所得税の控除を受けることができる。
ふるさと納税の専用サイトを見てみると、大仙市の返礼品には市の代名詞ともいえる「大曲の花火」の観覧席などが並ぶ中、最も人気を集めているのが、かわいらしい動物のデザインが施されたバッグだ。兵庫・神戸市に本社を置く老舗子ども服ブランド「ファミリア」が手がけた。
なぜファミリアの商品が大仙市の返礼品になったのだろうか。
大仙市移住定住促進課の高橋諒太主任によると、ファミリア製品の製造を担当する「ファミリアソーイング秋田」の工場が、市内の西仙北にあることがきっかけで、「返礼品限定の商品としてデニムバッグとポーチの商品を作りたい」と申し出があったのだという。
“秋田らしさ”を感じるデザイン
「ファミリアソーイング秋田」では、高い技術を持つ職人が一つ一つ丁寧に商品を作り上げている。
大仙市のふるさと納税でしか手に入れることができない「デニムバッグ」は、ファミリアブランドおなじみのクマのキャラクターの横に「秋田犬」がデザインされている。一般販売の商品とは違う“秋田らしさ”が感じられる。
大きさは縦32cm、横43cm。「レッスンバッグ」とも呼ばれ、A4サイズのパソコンはもちろん、楽譜などがすっぽりと入る。一般販売されているデニムバッグは、ファミリアのロングセラー商品の一つで、子どもはもちろん、神戸市の中高生は通学のサブバッグとして使用しているんだとか。
デニムバッグの寄付額は8万5000円で、市が扱う他の返礼品と比べると高額だが、市移住定住促進課の高橋主任は「既に100点以上の申し込みがあり、反響が大きいと感じている。担当としては予想を上回る寄付件数になっていると思う」と話す。
8月8日に取り扱いが始まってから、約20日間で195件の寄付があった。
衣類も多くの反響！市の魅力を全国に
また、同じデニム生地で作られた「フラットポーチ」や、ファミリアと市がタッグを組んだ返礼品第一弾の「衣類」も人気を集めている。
2023年8月から返礼品として扱っているブラウス、ジャンパースカート、アンサンブルは、数量限定の受け付けだが、サイズによっては品切れになるものもあり、すごく反響があるという。
大仙市の工場で地元の職人が思いを込めて作った品々が、市の魅力を全国に伝える大きなツールとなっている。
市移住定住促進課の高橋主任は「大仙市は『大曲の花火』の開催地として知られているが、その他にもコメの収穫量が全国2位の自治体。ふるさと納税を通じて全国の人から大仙市に注目してもらって、興味関心を持ってもらうきっかけになれば」と、注目度アップに期待を寄せている。
（秋田テレビ）
