9月8日に投開票される宜野湾市長選に向けた特集「暮らしの現場から」。
2024年4月、津波警報が発表された際、宜野湾市内では避難しようとする車で大規模な渋滞が発生し、一時、車線が変更されるなど課題が浮き彫りとなった。万が一の際、迅速に避難できるよう災害に備えたまちづくりを求める声が上がっている。
津波警報の際に避難する車で混雑した伊佐区
伊佐区の自治会長を務める安良城かつみさんは、2024年4月、台湾沖で発生した地震で13年ぶりに津波警報が発表された際、市営団地の高層階に避難した。
安良城かつみさん:
伊佐区の場合、埋め立て地になっていますので津波が来ると液状化現象が起こる可能性が高い

約2000世帯が暮らす宜野湾市の伊佐区は、市の西側に位置し、海抜は約2メートルで、区内には細い路地が多く津波警報の発表後、高台へ避難しようとする車で混雑したと話す。
安良城かつみさん:
いざ避難をして上から見下ろした時に、下の方はもう車で渋滞で到達時間まで10分前までに、まだこの近辺に車が渋滞していたので危険だなと思いました

伊佐区では、津波避難ビルに13のマンションや団地が指定されている。
一方、高台に避難する最短ルートは、国道58号線を横断した先から喜友名や普天間につながる
県道81号線となる。

津波警報の際、県道81号線は大渋滞となり、警察が一時、対向車線を開放する異例の事態となった。

安良城かつみさん:
渋滞で4車線にしたっていう事ですよね。伊佐区は路地が多くて58号線に抜ける道が少ない」
市長選で安良城さんは、避難ルートの整備など防災に関する政策に注目しています
安良城かつみさん:
やはり避難ルートの確立ですね。整備の方をしっかりとやっていただきたいということで それと防災面の備蓄品とか課題についてもっとしっかりと取り組んでいただきたい
普天間基地の早期返還 防災体制の強化を含めた跡地利用を
市の真ん中には普天間基地が横たわるほか、西普天間住宅地の南側部分などにより伊佐区を含む海岸沿いに住む市民は基地を迂回して高台に避難しなければいけない。
市はアメリカ軍と災害時の立ち入り協定を結んでいて、今回の津波でも、市民の避難を受け入れたが、別の自治体の基地ではゲートの開放に時間を要したケースもあり懸念が残る。
現在、宜野湾市は琉大病院の敷地内を通過する市道喜友名23号線の整備を進めていて、市は2024年12月の供用開始を目指しているが、伊佐区の人々にとって一つ悩ましい問題がある。

安良城かつみさん:
「この地域の一帯の方はここには入れないので」
市道喜友名23号線は、58号線の南進車線に面していて伊佐区の人々はこの道路を使用するには、大きく迂回する必要がある。

安良城さんは、現状の整備計画では避難時に渋滞を引き起こす恐れがあると懸念している。
安良城かつみさん:
津波到達10分前まで公民館裏の方にまで渋滞の最後尾があったので、渋滞してしまったんですよ。それを解消するにはアクセス道路を利用する横断道路を作ってほしいと思っています
広大なアメリカ軍基地が避難の妨げになるリスクが津波警報によって浮き彫りとなった。
安良城さんは、新たな市長には普天間基地の早期返還と防災体制の強化を含めた跡地利用をしてほしいと望んでいる。
安良城かつみさん:
市民のために商業施設とか緑化の公園などの構想もありますけど、防災面でも活用できるような避難ビルとか避難道とか作っていただきたいと思っています

安心安全な街づくりに向けて新たなリーダーを誰に託すのか…
市民一人ひとりの一票が街づくりの未来を決める。
(沖縄テレビ)