福島県福島市の福島西道路工事で、想定外の事態が発生した。トンネル掘削作業中に巨大な岩石が多数見つかり、作業が難航している。岩石を砕く作業の増加で、2026年度予定の開通が遅れる可能性が高まった。
昭和57年から整備開始
福島市の大動脈の一つ「国道13号・福島西道路」は、福島市を縦断する国道4号線の渋滞緩和などを目的に1982(昭和57)年度から整備が始まり、2026(令和8)年度の開通を目指して現在も全長6.3キロの道路工事が進められている。
この記事の画像(7枚)約1700mの「浅川トンネル」は国道4号線につながる要所。トンネルが通る場所は、何千年も前から堆積した柔らかい土で崩れやすく、慎重な作業が求められている。
想定を超える巨大な岩が出現
2023年11月、掘削工事中に5mを超える「巨大な岩」が出現。これにより、掘削作業を一時中断した。現在は火薬を仕掛け、爆破を繰り返しながら岩を掻き出す作業が続いている。
福島河川国道事務所の岩渕賢一副所長は「1mぐらいの巨礫は発生するだろうという予測は立てていた。こういったサイズの巨礫が出たというのは、私が仕事をしてきた中では初めて」と話す。
福島河川国道事務所によると、出現した巨大な岩「巨礫」は地層そのものが長い時間をかけて岩になったと考えられている。
巨大な岩は砕いて再利用
爆破を繰り返し、掻き出した岩はこれまでに約1000トン。重機で細かく砕いたあとは、道路建設のための材料として再利用される。
福島河川国道事務所の岩渕副所長は「福島市内の国道4号線は慢性的な交通渋滞が発生しているので、西道路を一日も早く完成させるために尽力して参りたい」と話した。
現在、浅川トンネルの掘削状況は5分の1ほど。想定を超える巨大な岩の出現で、追加の工程を余儀なくされ、開通までどれぐらいの時間を要するか見通せていない状況が続いている。
(福島テレビ)