観光列車として活躍した蒸気機関車・58654号機のJR九州として最後の見学会が福岡の小倉総合車両センターで開かれた。これまで過ごした熊本車両センターに別れを告げ、福岡へ旅立つSLに密着した。

『SLあそBOY』や『SL人吉』で活躍

9月1日、熊本市西区の熊本車両センターで車庫から出てきたJR九州の蒸気機関車・58654号機。

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1922年(大正11)製造で、『ハチロク』の愛称で親しまれ、JR九州の観光列車『SLあそBOY』や『SL人吉』として延べ90万人以上を乗せて走ってきた。しかし、製造から100年を超え、車体の老朽化や技術者不足などから、2024年3月に現役を引退し、その火を消した。

58654号機はJR九州から人吉市に譲渡される予定で、福岡で開かれるJR九州最後の見学会に向けて、2日午前1時半ごろ、熊本駅のホームへやって来た。

『SL人吉』のときの相棒・ディーゼル機関車が、乗客が誰もいないホームで大きく汽笛を上げると、58654号機を連れて熊本を後にした。

最後の見学会に多くのファン集まる

2日午前に開かれたJR九州最後の見学会には、約20人が訪れ、その姿を写真に収めるなどしていた。

福岡からの参加者は「とても感動している。今回、間近でSLを見られてうれしい」と話し、『SL人吉』の沿線だった八代市からの参加者は「沿線で育ってきたので、最後に見送りたい気持ちと『いままでご苦労さま』と『10年後、肥薩線が戻ってきたときに一緒に走ろうぜ』という気持ちで見送りに来た」と話した。

また、熊本市からの参加者は「自分の中では『不死鳥』だと思っている。必ずまた本線を走る姿が見られると信じて、人吉に移っても清掃など参加して見守りたい」と話した。

譲り受ける人吉市によると、今後58654号機は分解され、人吉市に輸送・設置される予定ということだ。

人吉市は、58654号機が102歳の誕生日を迎える11月18日に公開したい考えで、分解から輸送・設置までの一連の流れも、観光ツアーとして企画している。

(テレビ熊本)

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