8月18日、福岡市で軽乗用車とバスが正面衝突した事故で女児2人が死亡する事故があった。2人はシートベルトを着用していたが、そのことが死因になった可能性があると見られている。どうしたら事故が防げるのか、JAFに聞いた。

福岡市で女児2人死亡 大人用設計の問題点

18日、福岡市の国道で、軽乗用車と路線バスが正面衝突する事故があった。

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この事故で軽乗用車に乗っていた7歳と5歳の姉妹が出血性ショックで死亡。運転していた母親も左足に大ケガを負った。死亡した2人はシートベルトをしていたが、腹部に強い衝撃を受けて死亡したという。

シートベルトは、本来、身長140cm以上の大人用に開発されているため、140cmを下回る身長の子どもが装着すると、かえって危険な面がある。

JAF山形支部の野川智伸さんによると、シートベルトを小さいお子さんが使うと逆に首が閉まったり、お腹にかかったりすることがあるという。そのため、小さいお子さんの場合は、チャイルドシート・ジュニアシートを使用することが必要だ。

チャイルドシート・ジュニアシートは、2000年4月1日から道路交通法により6歳未満の乳幼児に使用することが義務化されている。

チャイルドシート・ジュニアシートの重要性

JAF・日本自動車連盟が制作した衝突テストの映像によると、ジュニアシートに座った身長140cm以下の子どものダミー人形は、衝突時、シートベルトが鎖骨と骨盤にかかり衝撃を受け止めている。

しかし、ジュニアシートに座らなかった場合のダミー人形は、衝突時、シートベルトに首や腹部を圧迫されているのがわかる。

ジュニアシート
ジュニアシート

山形県のチャイルドシートの使用率を見ると89.1%で、全国平均の76.0%より高くなっている。ただ、年齢が上がるにつれて使用率は下がってきているというのが現実だ。

そのことに対し、野川さんは「使用率が下がれば、その分、お子さんの命の危険性が上がっていくことに直結していく」と警鐘を鳴らす。

約1割がチャイルドシートを使用していない…

県内のチャイルドシートの使用率は全国平均を上回っているが、一方で、県内では10人に1人の割合でチャイルドシートを使用していないという面もあり、いざ事故が起きた場合、子どもの命の危険にかかわってくる。

JAF山形支部・野川智伸さん:
大人用のシートベルトを使って、お子さんの体を締め付けてしまうようなことがあると、命を守るはずだったシートベルトが逆に命を脅かすということが起きてくる。お子さんの体が大きくなるまでは、チャイルドシート・ジュニアシートを使っていただきたい。

乗る人の身長が140cmを下回っている場合は、法律で義務化されていない年齢になったとしても、チャイルドシート・ジュニアシートの使用を続けることでより安全性を高めることが出来そうだ。

そしてJAFは事故を受け、チャイルドシートの使用を推奨する基準を身長140cm未満から150cm未満に引き上げることも検討しているという。

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
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