後継者不足に悩む中小企業。 生き残るために今、注目されているある取り組みがある。
【動画】高齢化や後継者不足に悩む中小企業「一人で工場を守ってきたけれど…」 「M&A」で企業託す選択
■後継者不足に新たな一手

大阪府茨木市にある板金塗装の会社、「小林オート」。 黙々と車の修理をするのは経営者の小林正利さん。
小林オート 小林正利前社長:(Q:何の作業?)ばらした部品をしっかり止めていっています。ピンで。部品かなりありますよ。(Q:ひとつひとつ違う?)違います。いつまでたっても勉強だと思いますよ。
■一人で工場を守ってきたけれど…

会社を始めておよそ30年。 一人で工場を守ってきた。丁寧な仕事が評判を呼び、今でも月に10件ほどの依頼がある。
しかし、ことしで70歳。 年々、視力が落ちて作業に支障が出るようになり、会社の将来に不安を感じている。
小林オート 小林正利前社長:自分が納得できる仕事ができなくなりましたので。ましてや一人ですから身体の衰えもありますから、誰か次いないかなと。
■深刻な後継者不足

中小企業で深刻になっている後継者不足。 廃業させたくない一心で小林さんが決断したのが、企業が合併や買収をする「M&A」だった。
小林さんの会社には従業員がおらず、引き継ぐ親族もいないため、第三者に会社を譲り渡すことにしたのだ。

大阪府内では、小林さんのように後継者がいないなどの理由で、会社の譲り渡しを希望する経営者が年々増えている。
今回は大阪商工会議所などの支援を受け、譲り渡す相手は10年以上、塗装業の経験がある佐野智一さんに決まった。
■「M&A」が会社の未来を守るか

会社を引き継ぐ側にはすでに取引先があるというメリットも。
新社長 佐野智一さん:これまで小林さんが築いてきたものを引き継ぐので会社だけでなく、取引先も。しばらくはサポートもしていただけるので頑張って独立していけるように。
小林オート 小林正利前社長:佐野さんがもっと新しくいい方法で方向性を見つけてやってくれたらうれしい。期待している。大丈夫だと思う。
社長の高齢化や後継者不足に悩む中小企業。「M&A」が会社の未来を守る一手となるだろうか。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年8月20日)