パリオリンピックで活躍した福岡ゆかりの選手たちが続々地元に戻り、家族や関係者などからの祝福を受けた。
“初老ジャパン”思い出の乗馬クラブへ
“初老ジャパン”として銅メダルを獲得した総合馬術の田中利幸選手(39)。久々にふるさと福岡に戻り、8月18日、母校の日本経済大学を訪問。馬術部の後輩たちとも喜びを分かち合った。
この記事の画像(8枚)その後、田中選手が赴いたのは思い出の場所。福岡市東区にある「クレイン福岡」だ。中学3年生の時に初めて馬と触れ合った乗馬クラブがクレイン福岡だった。「ここで初めて、サークルでの練習から始まり、ここで成長したなっていう場所です」と田中選手は当時を懐かしむ。
その頃の田中選手を知る人は「すごくおとなしくて、淡々と馬に乗っているイメージで、すごい乗り方が優しくて、上手くなるんだろうなと思って見ていました」と当時を振り返っていた。
パリ五輪 急遽出場のウラ話
来場者と記念撮影を撮ったり、以前に乗っていた馬と触れ合ったり、思い出の場所でリラックスした様子の田中選手だが、実は今回のオリンピックでは当初、補欠メンバーとして登録されていたという。出場する予定はなかったのだ。それが急遽、競技が始まる1時間半前にメンバー変更で出番が回ってきた。
「障害物を3つ落とすだけで、順位が入れ替わるすごい接戦のポジションだったっていうのをさらに気づいて、もうとてつもないプレッシャーでしたね。鳥肌が止まんなかったですね」とそのときの心境を田中選手は振り返る。そのプレッシャーを乗り越えての銅メダル。すでに田中選手は4年後も見据えている。「ぜひ、もう一回、4人でロスを目指したいなと思っています」。
やり投げ10位入賞 糸島市出身上田選手
糸島市出身でやり投げの上田百寧選手(25)。8月14日、久々に戻った福岡空港。出迎えた家族から祝福を受け「やっと地元に帰ってきたなという気持ちで、力がこう、フッと休まるかなと思います」と笑顔を見せた。
今回のオリンピックで上田選手は、初出場ながら見事、決勝に進出。61メートル64を投げ、今シーズンのベストを更新、10位という素晴らしい結果を残している。
ふるさとの味は肉うどんとかしわご飯!
糸島市がふるさとの上田選手。実は、すぐにでも行きたいところがあった。それは糸島発祥のうどん店「牧のうどん」。上田選手にとって思い出の味なのだ。「地元、糸島の味が恋しくなるので、帰ってきたら来ることが多いですね」。運ばれてきたのは、肉うどんとかしわご飯。いつもこの組み合わせに決めているという。リラックスして過ごせる家族との時間。「最高!」と美味しそうに箸を動かしていた。
しかし、そんな休息の時間はごく僅か。帰国3日後、母校の福岡大学のグラウンドには、やりを投げる上田選手の姿があった。次の大会に向け、練習を開始していたのだ。
「オリンピックの出場者の中で、体格は一番小さいけど、スピード、筋力、跳躍力、どれをとっても、どの選手にも負けない能力がある。これからの4年間に期待していただきたい」と、指導する野口安忠コーチも、彼女に大きな期待を寄せている。
目指すは4年後のロス
オリンピック10位という結果を自信に、本人もさらなる上を目指す気持ちが高まっている。「また海外の試合になってくるので、その中でもしっかり自分のパフォーマンスを発揮すれば、しっかりいい記録も出せると思うし、順位もついてくると思うので、チャンスを無駄しないように自己ベストを更新目指して頑張っていきたいです」と語る。
4年後、2028年のロサンゼルスオリンピックへ、早くもそれぞれの挑戦が始まっている。
(テレビ西日本)