発生すると土砂災害や浸水など、大きな被害につながる線状降水帯。気象庁は8月16日、台風7号の影響で、関東甲信地方のほか宮城県と福島県に線状降水帯が発生する可能性があるという予測情報を発表した。この「線状降水帯予測情報」をどう受け止めるべきなのか、気象予報士に聞いた。

東北新幹線の一部列車は計画運休
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わずか1週間で2度の予測情報

気象庁は8月16日、台風7号の接近により、同日夜から17日午前中にかけて宮城県と福島県にも線状降水帯が発生して、大雨災害の危険度が急激に高まる可能性があると発表した。宮城県を対象に「線状降水帯予測情報」が出されるのは8月11日に台風5号が接近して以来で、わずか1週間で2度の予測が出されたことになる。私たちは予測情報をどう受け止めるべきなのか。

平野貴久気象予報士
「線状降水帯の予測情報が発表されて、実際に線状降水帯が発生する確率は、過去の統計では4回に1回程度で、3回は空振りとなっています。予測の精度はそれほど高くないことは事実ですが、予測情報が発表されるということは大気の状態が非常に不安定で、線状降水帯は発生しなくても大雨になる可能性は高い状況です」

台風7号接近に伴い海は荒れ模様
台風7号接近に伴い海は荒れ模様

線状降水帯なくても大雨に

宮城県ではこれまで「線状降水帯の発生情報」は発表されていない。だが、言葉に振り回されず、冷静に状況を見ていく必要があるという。

「大雨をもたらすのは線状降水帯だけではありません。例えば、2022年7月、大崎市や松島町で記録的な大雨となった際にも線状降水帯は発生しませんでした。線状降水帯が発生するかどうかにはこだわりすぎず、気象庁が発表する大雨の情報に注意し「キキクル」なども活用しながら危険を避けることが大切です」

2022年7月の大雨後の宮城県大崎市
2022年7月の大雨後の宮城県大崎市

崖の近くに暮らしていないか、近くに増水しやすい川はないか。それぞれの置かれた環境で注意すべきことは異なる。命を守るための“参考になる”情報の一つとして、線状降水帯予測情報を見ていく必要がある。

仙台放送
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