8月から本格的な台風シーズンだ。
台風第5号が8月12日午前、岩手県大船渡市付近に上陸し、日本海側へと横断。岩手県内は記録的な大雨に見舞われ、沿岸部を中心に床上浸水や道路の崩落などの被害が発生。この台風の影響で、山形新幹線や秋田新幹線で運休や遅れが出た。また空の便も、東北地方を発着する便を中心に欠航が相次いだ。
この記事の画像(9枚)続くように8月13日午前3時、日本の南に台風第7号が発生。この台風第7号は、お盆のUターンラッシュを直撃する可能性が出てきている。ニュースやインターネットなどで最新の情報をしっかりと確認しよう。
交通機関の乱れに注意
台風の影響によって雨や風が強まり、空の便や船舶の欠航、新幹線など列車の運休、高速道路など道路の通行止めの可能性がある。欠航は、大荒れのピーク時だけではなく、ピークの前後、数日間に及ぶこともある。また、大雨になる前でも事前の気象情報などにより、計画運休を行う場合がある。
お出かけの際は、最新の気象情報を確認しながら予定の変更も視野に入れて、計画を見直すことも大切だ。
物流がストップする可能性も
道路の通行止めなどによって物流がストップすると、宅配便などの受け入れが停止されることもある。また、コンビニやスーパー、デパートなどが臨時休業し、食料などが供給されなくなる場合もある。事前に数日分の食料や水などや、栄養やカロリーを摂取できる食べ物を備蓄しておくと安心である。
普段食べ慣れているお菓子などを買い置きしておくのもおすすめである。ビスケットやクッキーは比較的長期保存できて食べやすく、災害時には重宝しそうだ。
停電への備え
停電に備えて、スマートフォンなどの充電をしておこう。モバイルバッテリーを用意しておくのも良さそうだ。併せて、常備薬、懐中電灯、電池なども用意しておく。
普段は現金を持ち歩かず、電子マネーやキャッシュレス決済を利用している人は、小銭や紙幣の用意をしておくと安心だ。停電になると、電子マネーなどが使えなくなる場合があるので備えておこう。
また、お風呂の残り湯はトイレを流すなどの生活用水として取っておくのと良さそうだ。そして、まだ台風が近づいていない明るい時間帯に家の周りを確認し、風で飛びやすいもの(植木鉢、自転車など)は屋内に移動させることも忘れずにしておきたい。
避難場所・避難経路の確認を!
台風に備えて、ハザードマップを確認しておこう。ハザードマップは、国土交通省や各自治体のホームページなど、インターネットからも入手することが可能だ。ハザードマップは随時更新されるため、定期的に確認しよう。旅先や帰省先、家の周辺などで浸水や土砂災害などの危険性の高い場所を把握しておくと良さそうである。
また、複数の避難場所を確認しておくのがおすすめだ。避難場所は災害の種類によって異なる。「浸水や土砂災害の場合の避難場所」をしっかり確認するようにしよう。
さらに、避難場所までの避難経路を知っておくことだ。河川が増水した場合や高潮・高波でも安全に避難できるか確認しておきたい。家族や同居人がいる場合は連絡方法などを話し合い、緊急時に備えておこう。
台風の接近・上陸時の注意
暴風や大雨のときには、家の窓やドアをしっかりと閉めよう。土砂災害などの危険がある場所は近づかず、建物や家の中にいても危険そうな場所は避けることだ。近くに山や崖など、崩れるおそれのある斜面がある場合は、斜面から離れた部屋に避難するようにしよう。
強風や土砂崩れなどの影響で、電柱・電線が損傷し、停電になる場合がある。停電になったり避難したりするときは、電気のブレーカーを落とそう。電気の復旧と共にショートし、火災になるのを防ぐためである。
洪水や浸水のときは河川や用水路からは離れ、高い場所へ避難する。水が流れ込む危険があるため、地下室や地下街、地下駐車場などには絶対に入らないことだ。自宅にある大切な家具や家電などは、高い場所に移動させておくのも良さそうである。
高波や高潮のおそれがあるので、海岸や堤防に絶対に近づかないことだ。海水浴や釣りなどは非常に危険なので、予定していても中止する。台風の中心から離れていても、海では高波やうねりが来たり、高潮によって一気に水位が上がったりするおそれがあるため、晴れていても油断してはいけない。
現状を把握し、その後の行動のためにも、最新の情報を確認することが非常に重要だ。市町村から避難情報が発令された場合には、テレビやラジオ、インターネットなどのほか、防災行政無線や広報車などで伝えられるので、速やかに従うことである。
高齢者の避難のタイミングに関しては、自治体が「高齢者等避難」の情報を出すことになっている。大雨・洪水警報や川の氾濫警戒情報が発表されるような状況である。発表されたら、高齢者や体の不自由な人などは避難を始め、このほかの人も避難場所の確認や持ち出す物の準備を進め、危険を感じたら自主的な避難を始めることだ。
特に、旅先などいつもとは違って慣れない場所にいる場合や、家族連れで帰省している場合などは早めに避難準備をしておきたい。
台風に伴う強風・竜巻・フェーン現象
台風の風は、陸上の地形の影響を大きく受けるため、さらに強まることがある。入り江や海峡、岬、谷筋、山の尾根などでは風が強く吹く。
また、建物があるとビル風と呼ばれる強風や乱流が発生する。道路上では、橋の上やトンネルの出口で強風にあおられるなど、局地的に風が強くなることもあるので注意が必要だ。
台風が接近すると、沖縄、九州、関東から四国の太平洋側などでは、活発な積乱雲に伴い竜巻が発生することがあるので安全な場所で過ごそう。
台風が日本海に進んだ場合には、台風に向かって南よりの風が山を越えて日本海側に吹き下りる。この際に、気温が高く乾燥した風が、山の斜面を吹き下りるフェーン現象が発生し空気が乾燥する。このため、気温が上昇することに加えて、火災が発生した場合には延焼しやすくなることがある。
【執筆:日本気象協会】