2024年8月8日午後4時40分頃、宮崎県の日向灘を震源とする地震が発生。地震の規模を示すマグニチュードは7.1、最大震度は宮崎県日南市で6弱を観測している。この地震で宮崎県や鹿児島県などで家屋の倒壊や大規模な土砂崩れが発生。これまでに合わせて15人のけが人が確認されている。

「大規模地震の可能性が相対的に高まっている」

気象庁の地震火山技術・調査課、束田進也課長は「南海トラフ地震の想定震源域では新たな大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まっていると考えられます」と記者会見で述べた。

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この地震で気象庁は運用開始以来、初めて南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」を発表した。この情報は南海トラフ地震が発生する可能性が“普段より”も高まっていることを示すもので、巨大地震に備えて「防災対策推進地域」に指定されている市町村に対し、今後1週間、地震への備えを改めて確認するよう呼びかけている。

この「防災対策推進地域」には、福岡県内でも北九州市・行橋市・豊前市・苅田町・吉富町・築上町の3市3町が指定されている。

柳川市と大川市で震度4 福岡市では震度2

8日の地震では、県内で柳川市と大川市で震度4、福岡市では震度2が観測され、福岡市天神のイベント会場では天井の機材が落ちそうなほどの激しい揺れに見舞われた。

県内で被害は確認されていないが、県は地震翌日の9日、臨時の災害対策本部会議を開き、防災対策推進地域に指定されている市や町に対し、注意を呼びかけた。

服部誠太郎福岡県知事は「後発地震が必ず発生するというわけではないということではありますが、発災した場合には甚大な被害が予測されます。本県においても迅速に万全の態勢を取る必要があります」と呼びかけている。

もし南海トラフが… 死者・行方不明者32万人超

政府は、南海トラフ地震が起きた場合、最大で一部地域で震度7、さらに太平洋沿岸の広い地域で10メートルを超える大津波が襲い死者・行方不明者は約32万3千人に上ると想定している。

県内でも北九州市の一部や久留米市・八女市で震度5強など、各地で強い揺れが想定されている。

平常時においても今後30年以内に発生する確率が70か~80パーセントと切迫性が高まっている南海トラフ地震。

気象庁は、今回の臨時情報で「大規模な地震が必ず発生するわけではない」としているが、避難経路の確認など地震や津波への備えを改めて確認するよう呼びかけている。

(テレビ西日本)

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